投稿日:2023年10月23日/更新日:2024年01月05日
2023年|SDGsに取り組む企業の増加推移と傾向とは?導入メリットも解説
2015年の国連にて、2030年までに達成する17の目標である「SDGs(Sustainable Development Goals)」持続可能な開発目標に取り組む企業も多いのではないでしょうか。
また近年ではSDGsの観点を踏まえた「ウェルビーイング」や「サステナブル」など、わたしたちを取り巻く環境や生活が変化しつつあります。
本記事では、SDGsに取り組む企業の数値や推移、傾向のほか、企業がSDGsに取り組むメリットも紹介します。
ぜひ自社のSDGs施策に生かし、さまざまなメリットを最大化させましょう。
2023年 企業のSDGs意識調査結果
株式会社帝国データバンクにて、今回で4回目となる企業におけるSDGsの意識調査が行われました。
結果は、SDGsの意味等を理解して取り組んでいる企業は前回調査から3.8ポイント増の27.4%。
今後SDGsに取り組みたい企業と合計するとSDGsに積極的な企業は1.4ポイント増の53.6%に上ります。
特に、中小企業の割合が調査開始後初めて5割を超えた結果となりました。
一方で「言葉は知っていて意味もしくは重要性を理解できるが、取り組んでいない」は34.6%、「言葉は知っているが意味もしくは重要性を理解できない」は7.2%となりました。
SDGsを認知しつつも取り組んでいない企業は前年より0.9ポイント下がり41.8%。積極的な企業と取り組んでいない企業の差は11.8ポイントでした。
- 調査期間:2023年6月19日〜30日
- 調査対象:全国2万7,771社
- 有効回答企業数:1万1,105社(回答率40.0%)
SDGsに積極的な企業規模と業種
SDGsに積極的な企業の規模と割合を下記の表で紹介します。
大企業 | 71.6% |
中小企業 | 50.4% |
小規模企業 | 42.8% |
「中小企業」は調査開始後初の50%超えとなり、規模の小さい企業でもSDGsに取り組む姿勢が高まってきていることが分かりました。
次に、SDGsに積極的な企業を業界別に紹介します。
金融 | 72.0% |
農・林・水産 | 64.8% |
製造 | 59.9% |
特にSDGsに積極的な業界は、金融業界で72.0%と高水準をマーク。
次いで、農・林・水産業、そして製造業です。
ここで気になるのが金融業界が1位ということではないでしょうか?
環境に直結する農・林・水産や製造業を差し置いて、環境やSDGsに一見関係がなさそうな金融業界がラインクインした理由は下記の通りです。
- 銀行で「サステナブルファイナンス」の取り組み活発化
- アセットマネジメント会社によるESG関連商品の拡大
- 金融リテラシーの向上に向けた「投資教育」への注力
- SDGsに取り組んでいる企業への「SDGs融資」
持続可能な社会と地球を実現するための金融や教育、融資面が強化されている動向が見て取れるのではないでしょうか。
企業SDGs目標は経済成長が要
17あるSDGs目標のうち、企業で掲げている目標を順に紹介します。
降順での一覧は以下のとおりです。
突出した項目は目標8の「働きがいも経済成長も」でした。
目標の意味は、環境負荷をかけずに持続的な経済成長を行うこと。
また、それを支える労働者がイキイキと働ける環境や、生きていくのに必要な賃金を得られる社会の実現が目標です。
昨今の金融格差に深く注力する内容が最も多くの企業で目標に掲げられる結果となりました。
そして、まだSDGs施策を導入していない企業でも「働きがいと経済成長も」の目標は積極的に取り入れいていきたい目標であるとの結果も出ています。
低賃金問題や完全失業率問題などに明るい兆しが訪れることを期待しましょう。
SDGsに取り組むことで得られる企業メリット
本章では、SDGs施策を導入する企業メリットを3つ紹介します。
メリットは下記のとおりです。
- 企業ブランドの確率
- エンゲージメントの向上
- 生産性や利益率の向上
SDGsに積極的に取り組み、働く労働者はもちろん、社会や環境にも優しい企業であることをアピールできます。
結果的に「信頼できる企業」として企業ブランディングにつながり、消費者に選ばれやすくなることや、ステークホルダーとの関係性向上も期待できるでしょう。
また、従業員の帰属意識であるエンゲージメント向上も期待できます。
エンゲージメントが改善されることで、生産性や利益率の向上にもつながるでしょう。
ほかにも、求職者の増加や人員確保が容易になったり、離職率の低下もメリットです。
約7割がSDGs取り組み効果を実感
下記はSDGsの取り組みを行った企業で、どれくらい効果を実感したかの結果です。
69.2%と、多くの企業でSDGs施策導入による効果を実感できた結果となりました。
特に「企業イメージ向上」や「従業員のモチベーション向上」「売上の増加」などの効果が大きかったとしています。
このように、SDGsへの取り組みは企業にとって多くの利益につながるといえるでしょう。
まとめ:SDGsへの取り組みで企業を最大化
SDGsへの取り組みに積極的あるいは前向きな企業は53.6%、特に今回の2023年調査では中小企業の割合が増加し大企業だけの施策ではないことが証明されました。
ただし、中小企業や従業員20人以下の小規模企業では、コスト捻出の難しさや施策導入の不明点などがまだ多くの課題が残っています。
コピー用紙の削減や、残業時間の短縮などコストをそれほどかけずに実施できる施策もあるため、自社でできることから始めてみましょう。
参照:SDGsに関する企業の意識調査(2023年)|TBD Economic Online
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