投稿日:2024年08月19日/更新日:2024年08月19日
エンパワーメントとは?企業が取り入れるメリットやデメリットを分かりやすく解説
エンパワーメント(empowerment)は、力や権限を与える、権限委譲、能力開花などの意味合いで使われる言葉の1つです。
しかし、いまいち意味がしっくりこない、使うメリットが分かりづらいと思う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、エンパワーメントの概要や企業に概念を取り入れるメリット、デメリットを解説します。
ぜひ自社にエンパワーメントを取り入れSDGsの目標を達成しましょう。
エンパワーメントとは
エンパワーメントは、「力をつける」「自信を与える」「権力を付与する」という意味の言葉です。
主に使われるビジネスシーンでは、個人やチームがもともと持っている能力を十分に引き出せる環境を整えていくという意味合いで使われます。
ビジネスにおけるエンパワーメントの重要性とは
ビジネスにおいて、エンパワーメントは、仕事の進め方や取り組み方に対して重要な要素の1つです。
エンパワーメント(自信がある、権限がある)の量やカテゴリーによって、労働者が仕事に対してどれほどの熱量で業務をこなすかが変化するためです。
例えば、資格やスキルが足りない、経験や知識が少なく自信を持てないと感じている労働者は、仕事に対して消極的になるでしょう。
そこで、企業内のエンパワーメントを均一化し、適材適所で仕事量を調節することで、各個人がやりがいを持って仕事に望むことができるのです。
エンパワーメントの3つのメリット
エンパワーメントを導入するメリットは以下の3つです。
- 主体性が向上する
- モチベーションが向上する
- 意思決定がスピーディーになる
それぞれ解説します。
主体性が向上する
各個人のエンパワーメントが行われれば、自ら考えて決断し、当事者としての意識が芽生えるため主体性が向上します。
主体性が向上すれば、あらたな展開や展望が期待でき、企業と労働者にとってよい化学変化が期待できるでしょう。
モチベーションが向上する
各個人に適したエンパワーメントを実施することで、1人ひとりのモチベーションアップにつながります。
数字が得意な人には経理や仕入れ担当、話すことが好きな人には営業やカスタマーサポートなどそれぞれにあった場所でのびのびと仕事ができればおのずとモチベーションにつながるためです。
意思決定がスピーディーになる
エンパワーメントは1人ひとりが自信を持ち、適切な権限の元に自由に意思決定できる点が特徴です。
そのため、前時代的な上からの指示だけで行動するのではなく、各個人が意思決定権を持ちスピーディーに行動できます。
スピーディーに行動することで、顧客満足度アップはもちろん、リーダーシップも培われます。
エンパワーメント8つのルール
エンパワーメントの概念を取り入れる際は、8つのルールがあります。
- 目標を当事者が選択する
- 主導権と決定権を当事者が持つ
- 問題点と解決策を当事者が考える
- 当事者が失敗や成功を分析する
- 因子を当事者と専門職の両者で分析する
- 個人の責任感を高める
- 過程を支えるネットワークと資源を充実させる
- 当事者のウエルビーイングに対する意欲を高める
参照:エンパワメント科学:新たな実践知の展開に向けて|国際発達ケア:エンパワメント化学研究室
エンパワーメントの作成6ステップ
エンパワーメントを作成する際には、6つのステップと作成図を活用しましょう。
- ステップ1:もたらしたい成果は?
- ステップ2:現状は?
- ステップ3:背景は?
- ステップ4:問題点や課題、背景要因に影響を与える要因は?
- ステップ5:影響を与える要因を変化させる支援(戦略)は?
- ステップ6:根拠は?
参照:エンパワメント科学:新たな実践知の展開に向けて|国際発達ケア:エンパワメント化学研究室
エンパワーメントの注意点
さまざまなメリットがあるエンパワーメントですが、デメリットも存在します。
主な注意点は以下の2つです。
- 判断ミスが起こる可能性がある
- モチベーション低下に注意する
それぞれ解説します。
判断ミスが起こる可能性がある
1つめは、各個人が自由に意思決定できるため、思考や行動にばらつきがでる点です。
組織の統一性を持たせながら、個人やチームの力を結束させるためには、権限の乱用を防ぎ、企業理念を再認知させる動きが重要です。
モチベーション低下に注意する
2つめは、放任主義だととらえられて場合によってはモチベーションが低下するケースです。
リーダーシップが強い動労者の場合にエンパワーメントは強い効力を発揮するものの、縁の下の力持ちとして頑張りたい動労者に対してエンパワーメントは難しい施策でしょう。
そのため、各個人を見極めてエンパワーメントを実施することはもちろん、放任だと思われないように1対1の面談やミーティングを実施することが大切です。
まとめ
エンパワーメントは、自信をつける、権限を付与する、能力を開花させるといった意味合いの言葉で主にビジネスシーンで使われます。
各個人に権限を与えることで、1人ひとりの主体性やモチベーションを向上させ、企業成長を促します。
ただし、判断ミスや放任主義と捉えられてしまうケースもあるため、6ステップや8つのルールを再チェックしてから導入を進めましょう。