深掘りコラム

投稿日:2020年09月09日/更新日:2023年12月04日

企業価値を高める「ESG経営」と、それを評価する「ESG投資」

当サイトはPRが含まれています

 

企業価値を高める「ESG経営」と、それを評価する「ESG投資」

ESGという言葉自体は2006年頃から浸透し始め、SDGsが世間で話題となりだしてからさらに注目度が高まっています。

今後の経済や企業価値に影響を及ぼす重要なキーワードですが、よくわからないと感じていませんか?

今回は、ESGをわかりやすく解説します、ぜひ理解してビジネスシーンなどに活用してみましょう。

ESGとは

企業価値を高める「ESG経営」と、それを評価する「ESG投資」

「ESG」とは環境・社会・企業統治の英字(Environment・Social・Governance)の頭文字を取って作られた言葉。

企業が成長し続けるために重視な3つの要素を表したものです。

ビジネスシーンでの「ESG経営」のほかにも、3つの要素を軸に投資する「ESG投資」など、ESGの概念は多方面へ広がりをみせています。

環境(Environment)

自然環境への取組みのこと。

環境汚染や地球上の生物への配慮、省エネ、再生エネルギーの使用、CO2排出量の削減などが挙げられます。

社会(Social)

社会への影響のこと。

労働環境の改善、人権問題への配慮、社会貢献などが挙げられます。

企業統治(Governance)

経営管理体制のこと。

業績に響く不祥事の回避や情報開示、法令順守、資本効率に対する意識の高さなどが挙げられます。

ESGの概念が生まれた背景

企業価値を高める「ESG経営」と、それを評価する「ESG投資」

すべては、物質的な豊かさや経済発展を続けてきたわたしたちが原因です。

売上や利益を求め、成長し続けようとする企業が世界中で増え続けると共に「環境汚染」や「労働問題」として目立つようになりました。

物を大量生産することで、汚染排水は海や川へ、温室効果ガスは空へ拡散され、環境破壊につながります。

また、労働賃金の安い国で生産することで利益を生みやすくなる反面、適切な賃金を支払われないケースや過酷な条件下で拘束されることも懸念点です。

このような問題が多くなってきたために「ESG」という新しい考え方が生まれました。

SDGsとESGとの関係性

企業価値を高める「ESG経営」と、それを評価する「ESG投資」

SDGsは持続可能な開発目標。

2030年までに世界で達成すべき17の目標があり、日本でも国・企業・団体などで取り組まれています。

その目標の中には、貧困・人権・環境問題などさまざまなものがあり、企業がESGで取り組んでいくべきことと合致する部分が多く見られます。

そのため、ESGに取り組むことはSDGsに取り組むことになり、相乗効果的な関係性にあるといえるでしょう。

ESG経営とESG投資について

企業価値を高める「ESG経営」と、それを評価する「ESG投資」

ここではEDG経営とEGD投資についてそれぞれ解説します。

ESG経営

環境・社会・企業統治を考慮した経営方針を「ESG経営」と呼びます。

ESGに着目した投資家が企業の取り組みを調べ初め、投資先を決める基準としてESGを採用している(ESG投資)ことから、企業側もそれに対応できるように取り組み始めたのが始まりです。

メールやDM、Webページ、Web広告、テレビCMなどを活用して、企業が社会に対して何を行っているのかを伝えることで、よりESG投資の市場規模が拡大しています。

主な取り組み例

  • 会問題解決につながる事業促進
  • 文化イベントへの応援
  • 労働環境の改善など

さまざまな取り組みが実施されています。

ESG経営の企業メリット

ESG経営を導入するメリットは主に4つ。

  • 企業のイメージアップ
  • 信頼性の向上
  • 従業員のエンゲージメント向上
  • ステークホルダーへのアピール

イメージアップや信頼性が高まれば、自社商品やサービスの購買につながり利益向上が見込めるでしょう。

また、従業員の帰属意識であるエンゲージメントが高まれば、生産性の向上やさらなる利益率向上も可能です。

そして、会社運営にかかわるステークホルダーへアピールできることで、投資家から融資を受けたり、有能な人材が入社することもあるでしょう。

このように、ESG経営をすることで、さまざまな恩恵を受けることができます。

ほかの経営方法を知りたい方は下記のリンクを参考にしてください。

レジリエンス経営

ウェルビーイング経営

健康経営

ESG投資

ESG投資は、ESG経営を導入している企業へ投資を行うことです。

世界のESG投資額の統計を集計している国際団体GSIA(Global Sustainable Investment Alliance)のによると、ESG投資には以下の7つの方法があるとされています。

ネガティブ・スクリーニング 環境や社会に悪影響を及ぼす事業を行っている企業を投資先リストから除外する方法。原子力発電や武器製造などを行う銘柄など。
ポジティブ・スクリーニング 同業種の中でESG評価の高いセクター・企業・プロジェクトを投資対象として組み入れる方法。
国際規範スクリーニング 国連グローバル・コンパクト等の国際的なESG基準を満たしていない企業を投資対象から除外する方法。
ESGインテグレーション ビジネスモデルや財務諸表の分析だけでなく、ESG分析も投資の意思決定プロセスに組み込む方法。
サステナビリティ・テーマ投資 気候変動・食糧・農業・水資源・エネルギーなど、持続可能性に関する特定のテーマに投資する方法。
インパクト投資 社会問題や環境問題の解決や地域開発を目的とした投資方法。
エンゲージメント 議決権行使や投資先企業との対話を通じて、ESGへの取り組みを促すなど企業行動に影響を与える方法。

このように、投資家の考えを知ることでどのようなESG経営をすべきかが見えてくるのではないでしょうか。

まとめ

企業価値の向上はもちろん、これからの環境や未来を考えるためにも「ESG」を知って行動を始めましょう。