投稿日:2020年07月06日/更新日:2023年12月06日
SDGs(持続可能な開発目標)17の目標
SDGsでは地球上すべての人や企業・団体が取り組むべき目標として、17の目標が設定されています。
「誰も置き去りにしない(Nobody left behind)」の考え方で世界中で取り組む目標です。
さまざまな目標がありますが、一つの目標に取り組むことで、関連性の強い他の目標にも取り組みやすくなります。
SDGsを知るための基本的な知識として、まずは17の目標は何なのか。なぜこの目標があるのかを知っておきましょう。
- 【SDGs1】目標1.貧困をなくそう
- 【SDGs2】目標2.飢餓をゼロ
- 【SDGs3】目標3.すべての人に健康と福祉を
- 【SDGs4】目標4.質の高い教育をみんなに
- 【SDGs5】目標5.ジェンダー平等を実現しよう
- 【SDGs6】目標6.安全な水とトイレを世界中に
- 【SDGs7】目標7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 【SDGs8】目標8.働きがいも経済成長も
- 【SDGs9】目標9.産業と技術革新の基盤をつくろう
- 【SDGs10】目標10.人や国の不平等をなくそう
- 【SDGs11】目標11.住み続けられるまちづくりを
- 【SDGs12】目標12.つくる責任 つかう責任
- 【SDGs13】目標13.気候変動に具体的な対策を
- 【SDGs14】目標14.海の豊かさを守ろう
- 【SDGs15】目標15.陸の豊かさも守ろう
- 【SDGs16】目標16.平和と公正をすべての人に
- 【SDGs17】目標17.パートナーシップで目標を達成しよう
【SDGs1】目標1.貧困をなくそう
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
SDGsが定める「貧困」の定義は、1日1.9ドル未満(日本円で1日203円未満)で生活している人のことを言います。子どもの7人に1人が貧困状態という割合です。
貧困の原因はさまざまです。
- 失業
- 病気やケガ
- 離婚
- 戦争や紛争
- 災害
- 教育問題
- 社会的孤立
日本人が貧困を想像すると「途上国」「戦争」と結びつけるかもしれませんが、日本国内などの先進国でも貧困はあります。
途上国における貧困は「絶対的貧困」と言われ、食料もなく、きれいな水もなく、身の回りには危険がいっぱいあるような状況です。
日本における貧困は「相対的貧困」と言われ、国の生活水準や文化水準を下回る状態にあることを言います。
ひとり親世帯の貧困率が高いと言われ、離婚が原因で母子家庭・父子家庭で育った子供たちが影響を受けています。
親一人で子供を育てるには、家賃や食費などの毎月の支払いをクリアするために働かなくてはいけません。子育てがあるためフルタイムで働くことが出来ず、正社員になることも難しく、非正規雇用で働くことを余儀なくされることが多いようです。
このワーキングプア状態から収入が少なく貧困状態に陥ってしまうと考えられています。
貧困状態では体だけではなく心にも悪影響を与え、塾や多くの経験を得られるチャンスを「貧困」によって得られないことがおきます。
未来を生き、社会を動かす子供たちの貧困をなくすことは、社会全体の利益になると言えるかもしれません。
この目標と関連性の高い目標
【SDGs2】目標2.飢餓をゼロ
飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
地球に住む人の9人に1人は飢餓で苦しんでいます。
今後世界の人口は増え続け、
2020年で76億人。2050年には98億人になると予想されています。
その分、飢餓で苦しむ人の数も増えていくでしょう。
一方日本の場合、少子高齢化が進み、人口はどんどん減少していきます。
2020年で1億2600万人。2050年には8000万人台に突入すると予想されています。
私たちが当たり前のように毎日食べている食べ物の生産量は、世界人口を超える量が生産されています。必要以上に生産されているのです。
生産され、売れ残ってしまったものはゴミとして捨てられ、食べられるものが食べられなくなる状態です。
もちろん、この食品ロスを有効に活用して、家畜や魚のエサにしたりすることも行われていますが、経済発展を優先した過剰な供給と消費の仕方が食品ロスへとつながっていることは事実です。
廃棄されてしまうのであれば、それを有効に活用する仕組みをつくったり、廃棄されるであろう量を予測し、ロスのない生産システムを構築することも手段の一つです。
様々な食べ物を輸入に頼る日本の場合、このような食品ロスを少なくすることで、輸入量が減ります。それにより輸出を行う国は、他の国への輸出量を増やすことも考えるでしょう。その輸出先が途上国にも広がり、輸出量も増えればロスを最小限に抑えて世界中に食べ物を送り届けることも可能になるかもしれません。
また、日本国内で言えば、地産地消への動きも強まり、景気を安定させることも可能なのではないかと思います。
先進国とは違い、途上国の場合は違ったかたちでの食品ロスが発生しています。
輸送技術やインフラ、保存設備、加工施設の整備が不十分のため、生産段階、加工段階で食品ロスが出ています。
これらの整備を行うことで、これまで届けられなかった人たちに食べ物を届けることもできるようになるでしょう。
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【SDGs3】目標3.すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
健康とは何でしょう。ケガ・病気なく生活できていることでしょうか?
世界保健機構(WHO)が定める健康の定義とは、
健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。
(引用: 「公益社団法人 日本WHO協会(日本WHO協会訳)」https://japan-who.or.jp/about/who-what/identification-health/)
であり、決して身体的な健康だけを指しているのではないということが分かります。
健康診断や予防接種、病気や怪我の治療、避妊などの性教育のような、日本では普通に行われている基礎的な医療サービスを、十分に受けられない人たちが世界人口の約半分いると言われています。
その人数は途上国での比率が高く、大気汚染や不衛生、きれいな水を飲むことができないことで病気にかかってしまいます。
病気になってもすぐに治療することができずに亡くなってしまう子供たちも多く、途上国の5歳未満の死亡率は日本の約44倍にもなります。
予防接種やワクチンがその地域にあり、すぐにアクセスすることができれば、多くの命が救るのでしょう。
この目標と関連性の高い目標
- 【SDGs1】目標1.貧困をなくそう
- 【SDGs4】目標4.質の高い教育をみんなに
- 【SDGs5】目標5.ジェンダー平等を実現しよう
- 【SDGs6】目標6.安全な水とトイレを世界中に
- 【SDGs16】目標16.平和と公正をすべての人に
【SDGs4】目標4.質の高い教育をみんなに
すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
質の高い教育を受けることで、何が可能となるのか。
・低所得国の貧困数が減る
・貧困によって起こる様々な問題が少なくなる
では、質の高い教育が受けられないのは何故なのでしょうか。
- 学校が少ない、近くにない
- 教える人(先生)がいない
- お金がない
- 貧しい家族の家事を助けるため
- 弟や妹の世話のため
- 病気やケガをしているため
- 戦争や紛争があるため
例えば、学校に行った次の日から、小さな子供が何かできるようになるかと言えば、そんなことはありません。
教育は積み重ねによって発揮されるもので、今その人の目の前で起きている「貧困、飢餓、戦争」の中では何の役に立たないかもしれません。
そのため、教育は後回しにされるわけですが、数年後まで教育を受け続けられる環境であれば、その国の「貧困、飢餓、戦争」の悪いサイクルを止めることができるかもしれません。
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【SDGs5】目標5.ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
ジェンダーとは、 社会においての男女の役割の違いによって生まれる性別のことです。
ジェンダーの平等とは、そこで起きる性差別をなくし、平等に社会に参加できるようにすることです。
世界では「児童婚」「人身売買」「政治・経済への女性の参画が少ない」「当たり前のような育児・家事・介護」など、さまざまな場面で女性・女児への不平等があります。
日本でも、よく目にする不平等ですが、男性に育児休暇を与えることで女性の育児・家事を少しでも軽くする企業もあったり、政治・行政分野における女性の参画増加が近年起きています。
途上国の児童婚は、幼いうち(10代)に結婚をさせられ、母親の家事の手伝いをし、出産・育児をし、夫の面倒をみるという、本人の希望とは違う人生を歩まなければならないものです。
学校に通い、勉強することで知識を身につけ、社会参画が可能となるはずが、幼いうちにそれが経たれてしまうのには下記のような理由があります。
- 経済的な要因(貧困)
- 構造的な要因(教育を受けることの意味を理解していない)
- 社会的な要因(古くからの習慣)
児童婚解決には、この3つへのアプローチが必要で、経済的支援と教育、法の整備が必要と言えます。
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【SDGs6】目標6.安全な水とトイレを世界中に
すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
蛇口をひねれば綺麗な水が出る。日本では当たり前のことですが、世界中の40%を超える人たちが水不足に苦しみ、汚染された水を飲むしかない環境で生きています。
それが原因で紛争が起こるほどの重大な問題です。
また、トイレの排水処理をされないまま、糞尿の混ざった汚染水が流されている地域も多く、排水処理が不十分なために、環境や人々に悪影響を与えている地域もあります。
水に関する問題は飲み水の「資源」としてだけではなく、
農業用水、下水対策、水質汚染、洪水など「食料問題の解決」「衛生面の問題解決」「人命と財産を守るため」など、間接的に影響される部分もあり、広く問題解決を求められます。
水の浄化設備を海外で設置する取り組みも、日本企業で行われており、国内だけではなく国境を越えた適切な協力が行われています。
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【SDGs7】目標7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネ ルギーへのアクセスを確保する
化石燃料(石油、石炭、天然ガスなど)は、地球にいる微生物の市街や植物から何億年もかけて変化したもので、地球にある燃料です。これらを燃やしたり加工したりして、機械を動かしたり服を作ったりしているのですが、現在のペースで化石燃料を使い続けるといつか底を尽きてしまう恐れがあるため、もっと自然に優しいクリーンなエネルギーを使いましょうというのが目標7です。
また、木炭や石炭、糞、薪を使って生活をしなければならない地域もありますが、これらは人体に有害です。さらに、これらの化石燃料を燃やしたりすることで二酸化炭素やメタンガス大量に発生し、地球温暖化の原因の一つとしてもあげられています。
クリーンな燃料と言えば、太陽光発電、水力発電、風力発電、バイオマス発電、地熱発電、海洋発電などの再生可能エネルギーの事を指します。二酸化炭素を発生させることなく、とてもクリーンに電気を作り出すことが出来ます。
原子力発電は多くの電気を作り出すことができますが、災害による環境汚染の問題からも、SDGsで推奨できる技術ではないのかもしれません。
日本国内では国や自治体が行う、再生可能エネルギーを導入しやすくする制度もあり、力の入れ具合が分かります。
この目標と関連性の高い目標
【SDGs8】目標8.働きがいも経済成長も
すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する
アフリカの人口ピラミッドを見ると、子どもの人口がとても多く、1950年からずっと増え続けている地域です。
https://www.populationpyramid.net/ja/%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%82%AB/2019/
日本は「つぼ型」の人口ピラミッドで、徐々に人口は減っていくと予想されます。
https://www.populationpyramid.net/ja/%E6%97%A5%E6%9C%AC/2019/
アフリカで増える人口に対して、雇用は追い付かず、貧困や飢餓への連鎖が加速することも理解できると思います。
ジェンダー格差によって女性が失業しやすい地域もこの地域にで、性別関係なく、国内で仕事をし続け安定した収入を得ることができるのがとても難しい地域と言えます。
人口が増えすぎると、人々は仕事を求めて国外へ移住・移民することを考えるでしょう。そのため移民者も多く、目標16の「平和と公正をすべての人に」への影響も現れます。
そのため、人口が増える国でも雇用が成り立つ仕組みと、安心して国外で生活できる環境の準備が必要です。
日本国内で言えば、減り続ける人口でも経済・収入を安定させるためのシステム化・AI化・自動化・ロボティクスなどの環境作りが必要になってきます。
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【SDGs9】目標9.産業と技術革新の基盤をつくろう
強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る
インフラとは、電気、ガス、水道、交通、ネット環境など、生活や産業などの経済活動を営む上で必要な社会基盤です。
このインフラの強化と整備を行うことで、持続可能な産業化と技術革新を求めるというのが目標9。
近年増加する自然災害時に、素早く元の状態に回復できるインフラが世界中に求められています。
途上国ではこのインフラが十分に整備されていない地域が多く、電気のない生活や綺麗な水が飲めない地域もあり、経済成長にも大きな影響を与えています。
綺麗な水が飲めれば、人々の活力も増し、働く意欲が起きます。
生産性を求めて企業が電気を使った産業を行い、雇用が生まれます。
雇用されることで安定した収入を得ることができます。
安定収入が望めれば貧困からも抜け出せるかもしれません。
この目標9は、あらゆる目標と繋がるきっかけの一つとなりやすいのではないでしょうか。
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【SDGs10】目標10.人や国の不平等をなくそう
国内および国家間の格差を是正する
インターネットやSNSによって、世界中の人とつながり、あらゆるニュースを見聞きすることができるようになった一方で、他の国との違いや貧富の差を感じることが多くなってきました。
ある国で生まれた人が、他の国に移住したら、差別を受けてしまった。
女性であるだけで仕事を解雇されてしまった。
そんなジェンダー不平等や人種差別をなくすこと。
日本や海外で売られている安い服は、途上国で低賃金で働かされる人たちによって製造されてるという事実が、ニュースで配信された事故で話題となりました。
労働者が働く縫製工場が崩壊し、多くの人たちが犠牲になりましたが、その縫製工場では世界でも有名なファストファッションブランドの服の製造を行っており、低賃金労働が話題となったのです。
ある国の最低賃金と、もう一つの国の最低賃金に差が生まれるのは、必然と言えば必然なのですが、もっと適正価格で取引が行われるべきであり、労働者が搾取され続けることのない仕組み作りが重要です。
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【SDGs11】目標11.住み続けられるまちづくりを
都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
もし災害が起きた時でも、素早く復旧できるまちづくり。
安全で安心して住める住居。
これを目標とし、あらゆるターゲットが設定されているのが目標11です。
水害の起きやすい地域の対策や、人口が増え続ける都市部で災害が起きた場合の対策・復旧方法など、簡単にはクリアできないことが山積みです。
都市部に住むことなく、地方で仕事ができる環境を作り出すことで、都市部への人口集中を少なくできる上「住み続けられるまちづくり」を行っていると捉えることもできます。
では、高齢者にとってはどうでしょうか?
地方に住んでいるが故に、移動手段の選択があまりなく、ケガをした時にすぐに病院へ行けないようであれば、住みやすくても安全で安心して住める地域とは言いにくいです。
これらを解決するための、高齢者の見守り支援システムやサービスが普及すれば、住み続けられるまちづくりとなります。
新しい技術を利用する事によって、過疎化する地域でも安心して住み続けられるように、「目標9」との関係性の強い目標です。
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【SDGs12】目標12.つくる責任 つかう責任
持続可能な消費と生産のパターンを確保する
衣料、食品、エネルギーなど様々な分野で「つくる責任 つかう責任」の解決を考えなくてはいけません。2050年には世界の人口が74億人から96億人まで増えると予想されていますが、このままの生産消費を繰り返すことが実際には困難と言われています。
着る分だけ服を作る。食べる分だけ食べ物をつくる。使う分だけ電気をつくる。など、必要以上のものをつくらないことも重要ですが、廃棄されてしまうものの有効活用も一つの手段となります。
食品の場合、食品ロスが問題となっていますが、大きく2つの廃棄物カテゴリーに分けると、
・食品メーカーやスーパー、レストランから出る「事業系廃棄物」
・家庭から出る「家庭系廃棄物」
に分けられます。
事業系で言えば、期限切れの返品、規格変更での廃棄、期限切れの在庫、食べ残し、売れ残りなどが食品ロスにあたります。
家庭系で言えば、食べ残し、期限切れでの廃棄、食べられないと思って捨てられてしまう部分などが食品ロスにあたります。
食品ロスをできるだけなくすことで、食品における目標12は大きく達成できるでしょう。
衣料に関しては、リユース・リサイクルをうまく活用することや、環境配慮の衣料を購入したり、低賃金で過酷な労働を強いられる縫製の現場の現状を知った上で製品を選択し購入するなどの手段があります。
エネルギーに関しては、原子力発電の問題もあり、廃棄物による環境悪化の問題や、風力・太陽光などのクリーンなエネルギーに切り替えるなどの手段があります。
何かを生産する企業が取り組むべき努力と、消費する側の使い方が大きく影響する目標と言えます。
また、目標12は、私たち消費者側がすぐにでも実行でき、エコや節約につながることが多いので、ぜひ取り組んでいただきたいです。
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【SDGs13】目標13.気候変動に具体的な対策を
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
日本でも深刻になっている自然災害は気候変動によって起こっています。そのため、この目標は一般の方でも理解しやすい目標です。
気候変動によって起こる水位の上昇や、気温が上昇する原因となる二酸化炭素の排出量の増加、熱中症の発生率増加。
大型台風の頻発、食糧不足による飢餓の発生、環境変化によって絶滅してしまう生物。
マラリアなどの感染症の蔓延、水不足などなど
あらゆる変化が今まさに起きています。
実際に体験することもあるほど身近に起きている現象でもあり、このままの生産活動を続ければ、気温上昇を止めることはできず、2030年には1.5度。2050年には2度も上昇してしまいます。
世界の人口はこれからも増え続けるため、このままであれば必ず上記のような上昇が起こります。
それをなるべく食い止める方法として、再生可能エネルギーの活用が重要になります。化石燃料を使わないことで、二酸化炭素の排出量を少なくし、EV車を普及させ、ゴミを減らす等、あらゆる手段でこの気温上昇・気候変動の悪化を緩やかにすることが求められます。
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【SDGs14】目標14.海の豊かさを守ろう
海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
生命の源、海に起きている現象は深刻です。
私たちは魚を獲って食べています。加工して摂取されているものも多く、1970年代にいた魚の数は減少し続け、当時いた海洋生物の約半分しか今は生存していません。これが現在なのです。
漁業を営む人たちの多くは小規模な漁業従事者で占められています。
魚の数が減っているため、魚が獲れない日もあり、漁業で生活することが難しくなります。もっと多くの魚を獲るために、国境を越えて乱獲する国もあるほどです。
日本国内でも高齢化問題と合わさることで起きる、漁業自体の衰退が起こっています。
魚の減少は乱獲によるものだけではありません。
海に流されたプラスチックごみによって生態系に変化が起きたり、誤って生物が食べてしまう等の問題が起きています。
自然に溶けて土に返るようなものであればよいのですが、プラスチックは何年も溶けることなく残り続けてしまいます。
その他、サンゴ礁が死んでしまう現象により、魚の住処がなくなってしまうこともあげられます。この現象は「温暖化」と「二酸化炭素」によるもので、気温が上昇することで海水温度も上がり、サンゴ礁が生きられなくなることと、海の酸性化が原因とされています。
海に囲まれた日本にとって重要な問題です。
プラスチックごみを減らした上で、正しい処理を行い、温暖化を食い止める活動を行うこと。
そして、漁業従事者がこれからも活動しやすくなる環境を整えること。これが目標になります。
この目標と関連性の高い目標
【SDGs15】目標15.陸の豊かさも守ろう
陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
世界の陸地にある森林のうち、サッカー場15個分の森林が毎分消失しています。
建物を立てるためや、土地広くするため、自然災害などで、森林が焼き払われたり、過剰な木材調達による森林伐採などが原因で、森林から生み出された酸素によって生きる人間自身が、自分たちの首を絞めているという状態です。
森林に住む動物たちも住処をなくし、死んでしまうものや、森林以外の街などに住むしか方法がないものもいます。
森林の減少だけが理由ではなく、大気汚染や温暖化による生態系の崩壊、密猟なども理由となり、年間の絶滅数は4万種にもなると言われています。
生態系を守るための資金や動員の増加、密猟や違法取引に対する世界的な支援を強化する等が解決策となる目標です。
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【SDGs16】目標16.平和と公正をすべての人に
持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
日本国内で生活していると、この問題に対してあまり敏感に反応できない方も多いのではないでしょうか。
世界では、今この瞬間にも紛争や戦争が起こっていて、たくさんの人が命をうばわれ、家族や住む場所を失う人も少なくありません。
あらゆる争いごとをなくして、どこの国でも平和に生きられることを実現するために、法律などの公正な制度を利用できることが重要です。
2011年から内戦が続くシリアでは、多くの人が難民として国外へ避難しています。
シリアの他にもスーダンやアフガニスタン、ソマリアなど、多くの国から国外へ避難しているのが現状で、その多くが女性や子供たちです。
難民が暮らす難民キャンプでは、国際的な支援団体が活動し、住む場所や水、食べ物、病院、学校などを提供しています。
目標16のターゲットには「2030年までに、すべての人々に出生登録を含む法的な身分証明を提供する。」というものがあります。
子供が産まれたことを自治体に出生届として提出することで、戸籍登録されるのが日本ですが、その制度自体を知らない人や、出生届を提出する場所までの距離が遠い理由から、戸籍登録ができていない子供もいます。
私たちにできることは、この現状を知り、共有することから始まります。
日本に生きていると、紛争や暴力などで危険にさらされている人たちがいることを知っていたとしても、
実感がないため行動を起こすきっかけが少ないです。
まずは、世界の現状を知り、共有し、寄附や支援活動に参加することから始めましょう。それが小さな一歩です。
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【SDGs17】目標17.パートナーシップで目標を達成しよう
持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
目標17は、他の目標より多くのターゲットが設定されています。
SDGsすべてを達成するには、世界中が協力し合い、SDGsに取り組まなければいけないということが書かれています。
ターゲットを読んでみると、お金や税に関することが多いような気がしますが、先進国と途上国が共に協力し合いながら、お互いに利益を生みだせるような仕組みを考え出し、パートナシップを結ぶことでの持続的な取引を行うことが、この目標を達成する一つの方法かと思います。
そのような活動を行う企業は、世界的にも評価され、ESG投資の対象にもなりやすいのではないでしょうか。
ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字をとってできた言葉で、
企業の取り組みが「自然環境に良い取り組みを行っているか」「社会にとって良い取り組みを行っているか」「公正な競争で利益を生んでいるか」「これらの取り組みで企業は持続可能であるか」といった指標をもとに投資をすることをESG投資と言います。
評価の高い企業は株価が上がり、より持続可能性は増します。
SDGsに取り組むことで繋がる和。
国や企業がパートナーシップで目標達成を目指す。
そんな理想がここには書かれているのではないかと感じます。
この目標と関連性の高い目標
このページに記載している内容は、各目標の一部分について記載しています。
各目標のターゲットを見ると、もっと多くの細かな目標が書かれているので、じっくり読んでみてください。