投稿日:2024年07月04日/更新日:2024年07月04日
廃タイヤはその後どうなるの?リサイクルで地球にやさしい循環を
冬場は雪やアイスバーンによる事故を防ぐためにスタッドレスに付け替え、4~5月はスタッドレスからノーマルタイヤに付け替える方も多いかと思います。
その際に、使い古したタイヤがその後どうなるかご存知でしょうか?
今回は、廃タイヤのその後や適切な処理方法、リサイクル方法などについて詳しく解説します。
ぜひ参考にしてください。
廃タイヤの適切な処理方法とは?
使用済みタイヤは有害な重金属や水銀を含むため、一般的なごみとして処理するのを禁じられているのです。
そのため、廃タイヤを処分する際には、タイヤリサイクル業者に必ず依頼をしなければなりません。
仮に廃タイヤを不法投棄した場合は、廃棄物処理法第25条の規定により、5年以下の懲役又は1000万円以下の罰金が科せられる場合があります。
参照:廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)|環境省
不法投棄された廃タイヤが原因で環境汚染や火災などが発生した際は、損害賠償責任を負う場合もあるため、細心の注意が必要です。
廃タイヤを適切に処分することは、環境と安全の配慮につながります。
そのためタイヤを処分する際には、事前によくリサーチをし、必ずタイヤリサイクル業者に依頼するようにしましょう。
廃タイヤはリサイクルで再生可能
使用済みタイヤは、リサイクルをすると燃料に生まれ変わります。
主なリサイクル方法は以下のとおりです。
- 廃タイヤリサイクル
- リユースリサイクル
- マテリアルリサイクル
- サーマルリサイクル
それぞれ解説します。
廃タイヤリサイクル
廃タイヤリサイクルとは、使用済みタイヤを再利用するために行う処理を意味しています。
廃タイヤリサイクルには、以下の3つの方法があります。
- タイヤの粉砕と再生ゴムの製造
- タイヤの熱分解による燃料の製造
- タイヤの原料の回収
タイヤを燃料として使用することで、化石燃料の使用量を削減でき、さらに二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量の削減ができます。
またタイヤリサイクルは、タイヤの埋め立て処分を減らすことで環境汚染を防ぐことにもつながります。
リユースリサイクル
リユースリサイクルとは、使用済みの物を修理したり、改造したりして、再び使用できるようにするリサイクル方法です。
このためリユースリサイクルは、資源の節約や環境を守るのに適しています。
リユースリサイクルには、主に以下の4つの方法があります。
- 修理
- 改造
- レンタル
- リサイクルショップでの販売
リユースリサイクルは、環境にやさしく経済的にも効果的な方法でメリットが多いのが特徴です。
マテリアルリサイクル
マテリアルリサイクルとは、使用済みの物を原料に戻し、新しい製品を作るためのリサイクル方法です。
マテリアルリサイクルには、以下の4つの方法があります。
- 金属のリサイクル
- プラスチックのリサイクル
- 紙のリサイクル
- ガラスのリサイクル
マテリアルリサイクルは、資源の節約や環境保護に効果的で、資源の消費量を削減し環境汚染を防ぐ重要な役割があります。
サーマルリサイクル
サーマルリサイクルとは、廃棄物を燃焼させて熱エネルギーを回収するリサイクル方法です。
サーマルリサイクルには、主に以下の3つの方法がある。
- 焼却発電
- ボイラー燃料
- 熱交換器
サーマルリサイクルをすることで、化石燃料の使用量を削減でき、さらに二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を削減することが可能。
またサーマルリサイクルは、廃棄物の埋め立て処分を減らすことで、環境汚染を防ぐ役割もあります。
ただしサーマルリサイクルは、ダイオキシンなどの有害物質が発生する可能性があるため、有害物質の発生を抑えるための対策が必要です。
リサイクルを行う3つのメリットとは?
使用済みタイヤをリサイクルすることで得られる、以下の3つのメリットについて解説します。
- 環境保護
- 資源の有効活用
- コスト削減
それぞれ見ていきましょう。
環境保護
使用済みタイヤをリサイクルをすると、以下の4つのメリットが得られます。
- 化石燃料の節約
- 温室効果ガス排出量の削減
- 環境汚染の防止
- 資源の節約
これらのメリットによって、環境保護へとつながります。
また、タイヤを埋め立て処分することで環境汚染を防ぐことができるのもポイントです。
資源の有効活用
使用済みタイヤをリサイクルすると、ゴムやスチール、アスファルトなどの資源を上手く活かす働きにつながります。
タイヤのゴムは新しいタイヤや靴などの製品に、タイヤのスチールは新しい車や家電などの製品にも再利用される仕組みです。
また、タイヤのアスファルトは道路舗装に再利用され、タイヤから生じる粉末は土壌改良剤や燃料に再利用されています。
コスト削減
廃タイヤをリサイクルすることで得られるコスト削減のメリットは、以下の3つが挙げられます。
- 原材料費の削減
- エネルギー費の削減
- 廃棄物処理費の削減
廃タイヤが新しいタイヤとして生まれ変わることで、新しく製造する際の原材料費を削減できます。
また、タイヤを燃料として使用することでエネルギー費の削減が可能です。
わたしたちができるタイヤの処分方法
わたしたちにできるタイヤの処分方法として以下の3つが挙げられます。
- ガソリンスタンドやカー用品店へ持ち込む
- ディーラー、整備会社に持ち込む
- リサイクルショップやフリマ、ネットオークションへ出す
また、各処分方法の費用相場を表にまとめました。
各費用相場 | |
ガソリンスタンドやカー用品店 | 1本あたり300〜1,000円 |
ディーラー、整備会社 | 1本あたり300円~ |
ショップやフリマオークション | 1本あたり4,000〜30,000円 |
タイヤの処分と聞いて、少しハードルが高いと思う方もいるかもしれません。
しかし、よく利用しているお店へ持ち込んだり、フリマやネットオークションに出す方法なら挑戦しやすいと思います。
まずは、自分でできるところから実践し、周りの人に教えるのもいいでしょう。
環境にやさしいリトレッドタイヤ
リトレッドタイヤとは、走行によって摩耗したトレッドゴムを新しく貼り替えることでタイヤの機能を復元し、再利用するタイヤのこと。
別名「更生タイヤ」とも呼ばれています。
リトレッドタイヤを利用することで、新しいタイヤを製造する際に必要なゴムやスチールの使用量を削減でき、環境にとてもやさしいです。
また、リトレッドタイヤは、新しいタイヤよりも製造にかかるエネルギー量が少ないため、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を削減できるメリットがあります。
リトレッドタイヤを利用することで、地球温暖化や環境汚染の防止につながるため、積極的に取り入れてみてくださいね!
廃タイヤをリサイクルし、環境にやさしい取り組みを心がけよう
廃タイヤはリサイクルで資源を循環させて活用できます。
また、廃タイヤの処理方法を守らないと、場合によっては法律で罰せられてしまうため、そうならないためにも事前にリサーチをし、業者にお願いする準備をしましょう。
よく利用するお店に相談したり、フリマやオークションに出品するなど、自発的に廃タイヤのリサイクルに貢献できる方法はあります。
車をお持ちの方はもちろん、車をお持ちでない方も、ぜひ周りの人に教えてみてくださいね。
一人ひとりの力を合わせて、環境問題に取り組みましょう!