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投稿日:2023年09月01日/更新日:2023年10月24日

知らないと危険?BPAフリーとは|データをもとに分かりやすく解説

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BPAフリーとは?危険性と食の安全性について

プラスチックの原料として使用される化学物質「BPA(ビスフェノールA)」

BPAを原料にしたプラスチック類は透明度が高く丈夫なメリットがあるものの、近年では健康に対する悪影響が指摘されています。

今回は、わたしたちの身近にある「BPA」について学びましょう。

日本の法律や海外の動向、体内に取り込まれる仕組みや、おすすめのBPAフリー商品も紹介します。

BPAフリーとは?使われているモノや危険性について

BPAフリーとは?危険性と食の安全性について

そもそもBPA(ビスフェノールA)とは、プラスチック容器・食器に用いられるポリカーボネート樹脂や、缶詰めの内面塗装に使われるエポキシ樹脂の原材料です。

1997年頃から、BPA物質が溶け出して私たちの体内に取り込まれることによって、内分泌系(甲状腺・生殖器・松果体・脳・肝臓・心臓・膵臓・腎臓)への問題が引き起こされるのではないかと議論されています。

BPAフリーとは?危険性と食の安全性について

BPAフリーのロゴマーク

そして「BPAフリー(BPA FREE)」とは、文字通りBPAが使われていない商品のことです。

わたしたちの身近にあるBPA

BPAフリーとは?危険性と食の安全性について
BPAは私たちの身近にあふれています。

ラップ|ジッパー付き保存袋|保存容器|お弁当箱|薬の小分け容器|プラスチック製食器(使い捨ても含む)|電子レンジ用調理容器|飲料用ボトル|水筒|油のボトル|スーパーの惣菜や弁当の容器|哺乳瓶|おしゃぶり|おもちゃ|文房具|缶詰|粉ミルクの缶|コーヒーやジュースなど飲料の缶…など

 

ほかにも、自動車部品・建築資材・医療用品などさまざまな用途に使用されています。

BPAが体に与える影響については、未だに不明な点が多く、国際的にも議論され続けていますが、最新の研究結果や海外の動向を見ると一概に安全とはいえない状況です。

BPAが引き起こす問題

BPAフリーとは?危険性と食の安全性について

BPA対策が活発なEUでは「規則(EC) No 1272/2008(CLP規則)」を発表。

中では、BPAの4つの懸念点が紹介されています。

  • 眼に対する重篤な損傷・眼刺激性のおそれ
  • アレルギー性皮膚反応を引き起こすおそれ
  • 呼吸器疾患を引き起こすおそれ
  • 生殖能力を損なうおそれ

ほかにも、報告されているBPAが引き起こす可能性のある病気はこちら。

  • 乳がん
  • 不妊症
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 乳幼児の脳の発達への影響と問題行動
  • 自閉症、ADHDなどの発達障害
  • 生殖異常
  • 心疾患
  • 肥満
  • 糖尿病
  • うつ病

BPAは環境ホルモンの1種でもあり、女性ホルモンのエストロゲンに似た効果を発揮します。

そのため、現代ではプラスチック製品のなかった時代よりも初潮年齢が低かったり、乳房の大きい人が増えたり、婦人科系疾患が増えているのもBPAを始めとした環境ホルモンの影響が大きいのではないでしょうか。

日本におけるBPA規制の現状

BPAフリーとは?危険性と食の安全性について

厚生労働省から発表されている「ビスフェノールAについてのQ&A」では、材質中に含まれる量と、溶け出すであろう量の規定値が定められています。

  • 材質中の量500ppm以下
  • 製品から溶出する量2.5ppm以下

体重50kgの人では1日に2.5mgまでは摂取しても特に問題はないと公表されています。

また、金属缶の内面塗装に使われるものについては、食品衛生法の規制はありません。

ただし、少量でも問題が発生している事例があるため、特に妊娠中(これらの方も)や、乳幼児はBPAを避けた方が無難です。

BPAと海外の動向

BPAフリーとは?危険性と食の安全性について

ここでは、各国のBPAに対する対応を紹介します。

アメリカ

  • FDA(食品医薬品局)が低減努力を支援
  • 胎児・乳幼児の脳・行動などに何らかの影響がある
  • BPAを含む商品は「明確な警告」表示義務
  • 2012年 哺乳瓶と子ども用のコップへのBPA使用禁止
  • マタニティ用品大手6社でBPAの使用中止

カナダ

  • BPAを使用した哺乳瓶の製造・輸入・販売・さらに宣伝も禁止

フランス

  • BPAを含む食品との直接接触がある梱包・コンテナ・調理器具の製造・輸入・輸出・販売を禁止

EU

  • BPAを使用した哺乳瓶を輸入・販売禁止

オーストラリア・ニュージーランド

  • BPAを使用した哺乳瓶を段階的に廃止する方針

BPAが体に取り込まれるしくみ

BPAフリーとは?危険性と食の安全性について

BPAは「熱・油・酸」によって溶け出し、食品を通して私たちの体に取り込まれます。

特に注意したい3つの行動は下記のとおりです。

  • ラップに包んだ食品を電子レンジで加熱する
  • BPAフリー以外の容器やカトラリー、缶詰
  • BPAフリー以外の容器に熱湯を注ぐ

それぞれ解説します。

ラップに包んだ食品を電子レンジで加熱する

熱々のままでラップおにぎりを作ることや、ラップでくるんだ食品(とくに油モノ)を電子レンジで温めたりすることは避けましょう。

内閣府の食品安全委員会でも「油性の強い食品を電子レンジで加熱する時は食品を直接包まず、深めの耐熱容器に入れてラップが食品に直接触れないようにして使用すること」記載されています。

個人的にはラップを使うと、食材そのものがラップの味になる気がします……。これがBPA……?

BPAフリー以外の容器やカトラリー、缶詰

PBAフリー以外のプラスチック容器やカラトリーは、BPAが溶け出して食品に付着している可能性がとても高いのです。

また、電子レンジで温めることにより、よりBPAが溶け出してしまいます。

何気なく利用しているプラのお弁当箱やコンビニ・スーパーの弁当トレー、プラスチックのスプーンやフォーク、ペットボトルなど思い当たる節は多いのではないでしょうか。

缶詰では酸性の強いトマト缶はBPAが最も溶け出す危険が高いとして近年話題に。

小さな子供がいる家庭や、妊娠中、健康に気を付けたい人は、必ずBPAフリーのトマト缶を選びましょう。

BPAフリー以外の容器に熱湯を注ぐ

最後に、耐熱のプラスチック容器で、あたたかいお茶をよく飲む人は要注意。

BPAの含まれた容器に熱湯を入れた場合、水よりも約55倍も速く溶け出してしまいます。

そのため、BPAフリーを使うことはもちろんですが、3つの「熱・油・酸」に気を付けましょう。

BPAに代わるBHPFの危険性は?

BPAフリーとは?危険性と食の安全性について

近年では、悪影響があるBPAに代わって「BHPF(フルオレン-9-ビスフェノール)」や「BPS(ビスフェノールS)」という物質が使われているケースがあります。

BPAからの影響はないものの、新しい代替物質でも健康への影響が指摘されている研究報告も

しかし、データが少ないためその有害性は未知数であるといわれています。

一部、BHPFの研究結果を紹介します。

2022年イギリス機関からの発表では、BHPFにさらされると妊娠しているマウスや人間の子宮内膜に影響を及ぼし、胎児の発育に問題が生じるとしています……。

やはり、少なからず影響があるようです。

そのためBPAフリーでも、注意して商品を選ぶ必要があります。

おすすめのBPAフリー日用品3選

ここではおすすめのBPAフリーの商品を3つ紹介します!

 

アメリカサイズのBPAフリーラップ。

使い心地も◎で、コストコで人気の商品のようです!

 

フタをしたまま電子レンジで加熱でき、そのまま冷凍・オーブン・食洗器でも使える素晴らしい耐熱ガラス容器です。

もちろんガラスなのでBPAフリーで、ラップ代やごみも削減できます。

 

BPAの影響を強く受けるのは、小さな乳幼児や子どもです。

わが子を守るためにも、もちろんプレゼント用でも、子ども用のかわいいプレートセットはいかがでしょうか。電子レンジ・食洗器OK、BPAフリーです。

まとめ

BPAフリーとは?危険性と食の安全性について

日本の食品衛生法ではプラスチック容器などのBPA基準値は2.5ppm以下と決められていますが、環境エストロゲンは1ppbで人体に影響が出るといわれています

例えると、50mプールいっぱいのに1滴(1cc)ポチョン…と垂らしたのと同じくらいの濃度です。

これは、食品衛生法で定められた基準値の約2500倍です。

決して厳しい基準とはいえないのではないでしょうか?

基準値だけで安心するのではなく、あなたの目できちんと確かめて商品を選ぶことが大切です。

 

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