投稿日:2024年08月11日/更新日:2024年08月11日
発展途上国への服の寄付|善意の裏に潜む問題とは?わたしたちにできること
着なくなった服を善意として発展途上国へ寄付する方が多いですが、服の行方を知っている方は少ないのではないでしょうか。
実は寄付した古着がきっかけで、発展途上国に大きな問題が生じています。
今回は、どのような問題が生じているのか、あわせてわたしたちにできることの事例を紹介します。
寄付された服がもたらす環境問題と経済的影響
古着が行き着くアフリカの国々では、寄付された服が行き場を失いゴミ山が築かれています。
「人々のために」と思って取り組んでいた援助活動が、実は現地の発展を阻んでいるのです。
参照:着られなくなった衣服の“末路”とは…|NHK
また、古着が大量に集まることで仕分けやリサイクルに従事する者が生まれる一方、現地のアパレル産業がひっ迫している現状も深刻な問題です。
ガーナでは寄付された古着の流通が主な原因で、繊維産業に携わっていた人の8割が失業してしてしまいました。
安価な古着の流入は、現地の繊維産業を破壊し、労働者の仕事を奪うことにもつながっています。
善意の裏に潜む問題
このような「形だけの援助活動」が行われてしまうのは、私たちの盲目的な善意から生まれたものです。
送られる服には低品質なものも多く、誰も手に取ることなく埋められる衣類が約4割を占めています。
これらは環境破壊の原因にもなり、悪循環を生む原因です。
また、服の廃棄問題は企業側にも原因があります。
先進国で当たり前となっている、大量生産大量廃棄のサイクルも環境破壊につながっているのです。
いつまでも現地の人々が経済的に自立できない根本的な原因は、私たちの豊かな暮らしの先にあるとも言い換えられます。
わたしたちにできる4つの取り組み
寄付以外にも、わたしたちにできる以下の4つの取り組みがあります。
- 利用目的が明確な団体に寄付する
- ファストファッションではなく、長持ちする服を選ぶ
- リペアやリメイク、ウエスの工夫をする
- フリマアプリやフリーマーケットなどで得たお金を寄付する
ぜひ参考にしてみてください。
利用目的が明確な団体に寄付する
古着を寄付として回収している団体のなかには、ビジネスを目的としていることも少なくありません。
「着なくなった服を回収し寄付する」名目で、実は新品の不良在庫を一緒に処分しているアパレル企業もあるようです。
不要になった服を寄付するならどのような人に渡るのか、どのように活用してもらえるのかをしっかり確認して、信頼できる団体や企業を選びましょう。
ファストファッションではなく、長持ちする服を選ぶ
ファストファッションは手頃な価格なので買いやすい反面、一度も着ないままに捨てられることも多くなっています。
ファストファッションは約6割以上が焼却施設や埋立地で処分されているのです。
流行を求めることも大切ですが、一生大切に着られるスローファッションにスイッチしてみませんか?
ゴミを少なくすることで環境負荷を押さえることにつながりますよ。
リペアやリメイク、ウエスの工夫をする
小さな破れやほつれがある衣類は、できるだけリペアして使い続けてみましょう。
リメイクして自分らしいファッションを楽しむのもよいですよね。
また、どうしても直せないようなダメージがある場合には、小さく裁断してウエス(雑巾)としてお掃除に使うこともできます。
捨てるものをなくす工夫が大切です。
フリマアプリやフリーマーケットに出品する
サイズが合わなくなったり、何かしらの事情で服が着られなくなった際は、フリマアプリやフリーマーケットに出品してみましょう。
そして、得られたお金を途上国や問題がある地域に寄付すれば、不要なモノでひっ迫する現状に拍車をかけることはありません。
また、自分が不要と思っているものは、アメリカの人々にとっても不要です。
求めているものだけを送るのが本当の善意です。
まとめ
発展途上国への服の寄付は、善意の裏に潜む問題が起きています。
環境や金銭的にも苦しい状況を生まないためにも、長持ちする服を選んだり、古くなった服をリメイクしたり、フリマアプリやフリーマーケットで得られたお金を寄付してみてください。
どれも簡単にできて社会貢献につながります。
1人ひとりの思いやりで、環境にやさしい世界を築き上げていきましょう。