投稿日:2025年02月07日/更新日:2025年02月07日
地球は寒冷化するってホント?気候変動問題の本質をわかりやすく詳しく解説
一般的に、地球の温暖化が進んでいるといわれています。
ただし、大きな地球のサイクルのなかでは温暖化だけでなく寒冷化することもあるのです。
温暖化が叫ばれている中で寒冷化するというのはイメージが付きにくいものですが、寒冷化するというのは本当なのでしょうか?
地球寒冷化を含め、気候変動問題の本質を解説します。
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地球温暖化と地球寒冷化とは?
本章では、地球温暖化と地球寒冷化について、改めて整理してみましょう。
それぞれ紹介します。
地球温暖化とは?
人間の活動が活発になり、大気中に含まれる二酸化炭素等の温室効果ガスが大気中に放出されて、地球全体の平均気温が上昇している現象のことを指します。
温暖化により、地球の気象が変化して極端な気温の上昇による熱波、強い台風や集中豪雨などが発生するリスクが高まります。
地球寒冷化とは?
地球寒冷化とは、氷河期に突入した状態を指します。
地球の気候が寒冷で氷河が広く広がっていた時代を指し、地球の軌道要素の変化により気候が寒暖を繰り返す中で、寒冷な時期のことを寒冷期と呼ぶのです。
1年の平均気温が5℃から10℃ほど下がるといわれています。
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そもそも地球温暖化は事実なのか?
世界の平均気温は上がったり下がったりしつつ、上昇傾向にあることは事実です。
ただし、長い目で見た場合は温暖化と寒冷化にはサイクルがあり、歴史的に繰り返している傾向にあります。
サイクルや温暖化の原因などについては、以下のとおりです。
地球温暖化と地球寒冷化のサイクル
地球温暖化と地球寒冷化のサイクルは、ミランコビッチサイクルにより発生するといわれています。
参照:ミランコビッチ・サイクルの今日的な意義|FNの高校物理
ミランコビッチサイクルとは、セルビア人のミランコビッチが1910年代から40年代はじめにかけて提唱した仮説のことです。
以下3つの要素が重なることで温暖と寒冷を繰り返します。
- 地球の公転軌道の離心率の周期的変化
- 自転軸の傾きの周期変化
- 自転軸の歳差運動
ただし、計算するのは非常に困難であり、理論と実際が異なるケースがあるので常に再計算が必要です。
温室効果ガスの影響による
ミランコビッチサイクルが広く定説として広がった中で、現代社会においては温室効果ガスの影響も無視できません。
温室効果ガス濃度の増加により、気温の低下が発生しないと多くの科学者が予想しているのです。
事実、過去200年で平均気温は30倍のスピードで急上昇している傾向にあります。
また、地球温暖化については、中国の脅威も見逃すことができません。
参照:世界の二酸化炭素排出量に占める主要国の排出割合と各国の一人当たりの排出量の比較(2021年)| JCCCA 全国地球温暖化防止活動推進センター
世界各国が中国に対して大気汚染への懸念を伝えている中で、温室効果ガスの削減を中国として取り組まない限り、温暖効果ガスの地球規模での削減は難しい状況といえるでしょう。
地球寒冷化のメカニズム
地球寒冷化が発生するメカニズムとして、以下が挙げられます。
- エアロゾルによる影響
- 軌道強制力の影響
- 深層循環が停止する
- スベンスマルク効果による影響
各メカニズムの詳細は、以下のとおりです。
エアロゾルによる影響
エアロゾルが大気を浮遊すると、太陽光を反射して遮るので地球を冷やす直接的な効果があるとされています。
実際に、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)においてまとめられたレポートでは、エアロゾルによる雲形成が、地球を寒冷化する効果があると言及。
参照:大気中の微粒子(エアロゾル)が地球の気候を変える|全球大気海洋研究部 大島長
また、20世紀中頃(1950年頃)の北極寒冷化には、同時期の人的なエアロゾル増大が関わっている研究結果が報告されています。
軌道強制力の影響
地球寒冷化は、ミランコビッチサイクルによる軌道強制力の影響も考えられます。
軌道強制力とは、太陽と地球の距離の変化や、地球の自転軸の傾きの変化によって、地球が太陽から受け取るエネルギーが変化すること。
北半球高緯度の夏季日射量が減少により氷期になって、日射量が増加した場合は間氷期になるとみられています。
地球の自転軸(地軸)の傾きは、約4万1000年の周期で約21~24度の間で変化することが知られています。
深層循環が停止する
深層循環が停止することでも、寒冷化が進むといわれています。
深層循環とは、海洋の水温と塩分濃度の変化によって生じる海水循環のこと。
この海洋深層循環が停止することで、北大西洋においては5℃以上の気温変化が生じる可能性があります。
参照:黒潮の大蛇行と海岸ごみの変化|公益財団法人かながわ海岸美化財団
たとえば「黒潮の大蛇行」など話題に聞くように、1つの海流が変われば大きな変化が出てくる可能性があるのです。
スベンスマルク効果による影響
地球寒冷化は、スベンスマルク効果による影響も見逃せません。
スベンスマルク効果とは、宇宙空間より飛来している銀河宇宙線が、地球に雲を多く作る説です。
参照:神大、銀河宇宙線が気候に影響を及ぼす「スベンスマルク効果」の存在を立証|財形新聞
雲がたくさんできることで「日傘効果」が起こり、より強く冷却されます。
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現在は寒冷期に入っているの?
現在の地球では、比較的温暖な間氷期にあるとみられています。
1つ前の間氷期は11万年以上前であり、自然の周期としては氷期の始まりにいつ突入してもおかしくない状況です。
ただし、これまでの人間活動によって現在の大気中の温室効果ガス濃度は非常に高く、氷期の始まりが自然の周期よりも遅れているという見立てが主流です。
異常気象に対してわたしたちができること
寒冷期を含めて、異常気象に対してわたしたちができることはさまざまあります。
- 省エネ家電を導入する
- 自宅に再生エネルギーを導入する
- 食品ロスを減らす
- なるべく公共交通機関を利用する
まずは身近にできることから、ちょっとずつ始めてみませんか?
まとめ
地球寒冷化は、大きなサイクルの中ではいずれ訪れるものです。
ただし、地球環境の変化によってタイミングにずれが生じる可能性があります。
異常気象に対しては、普段の生活において対策できることも多くあります。
本記事で紹介した内容を参考に、地球寒冷化についても考えてみましょう!
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