投稿日:2025年03月19日/更新日:2025年03月19日
丸紅ケミックス|プラ使用削減の共同事業団体設立、29社が参加
丸紅ケミックス株式会社は、2025年3月5日に東京都内で記者会見を開き、廃棄物を有効利用してプラスチックの使用量削減を目指す団体「アップサイクルコンソーシアム Do What We Can」を設立したと発表した。
Do What We Canの概要
こう語るのは、丸紅ケミックス代表取締役社長の衣畑氏だ。
残渣とは、液体や固体から目的の成分を取り除いた後に残る不純物やあまりの部分。
- 食品の食べ残しや、工場から出る卵の殻
- 農園で残る茎や葉、根
- 建設・建築から出る、端材など
これらをすべて残渣という。
このような残渣と廃プラスティックを混ぜ込み、新しい商品にして活用するのが今回の取り組み内容だ。
参画企業29社と連携し、年間約3億トンの廃棄物を有効活用するとともに、国内で使用されているプラスチックの削減、廃棄物の発生減少に向けた取り組みを推進するとしている。
丸紅ケミックスが掲げる「できないことはみんなでやろう」をスローガンに、難しい技術をそれぞれのプロフェッショナルである29社一丸となって実現する形だ。
定期的な会合や、廃棄物の活用によるプラスチック使用量削減の課題や成功事例、参画企業間のマッチングを行うとしている。
また、専用のWebサイトを開設し、広報や製品販売の窓口として広く発信する予定だ。
記者会見でDo What We Canに迫る
記者会見では、さまざまな質疑応答が飛び交った。
ここでは、いくつかピックアップして紹介する。
取り組みの開始時期や対応エリア、数値目標は?
現段階(2025年3月)では、できる限り速やかに開始したいと語られた。
また、地域やエリアの限定はない。
今後、共通指標の策定をしていくとしている。
国際展開の可能性は?
まずは、国内のBtoBへ向けた展開となるが、今後は海外の知見も踏まえて、世界進出も考えている。
食品残渣の活用で注目している製品は?
卵や牡蠣の殻は、抗菌性や耐久性が高いため、さまざまな活用が考えられる。
また、卵や牡蠣殻は活用されていない現状も踏まえて、注目素材のようだ。
Do What We Canの意味は?
直訳すると「私たちにできること」となり、わたしたちができる限りの行動を一緒になって行っていく「共同精神」が込められている。
廃プラ複合素材の問題点と課題
最後に、廃プラスティックと残渣を混ぜた複合素材の課題について紹介する。
アップサイクルした複合素材は、リサイクルしにくいというデメリットがある。
異なる素材を分離することが難しいためだ。
しかし、現状の樹脂使用量や廃プラスティック量を初期の段階で減らし、アップサイクルした製品を何度も使うことで、相対的に樹脂やプラスティックを削減できるとした。
今後の技術革新や、問題点にも注目が集まる。
丸紅ケミックス株式会社
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