投稿日:2023年09月28日/更新日:2023年10月24日
新注目トレンド「SBNR」とは?|日本古来の精神文化との関連性
あなたは「SBNR」を知っていますか?
これからの人生を進んでいく道すがらには必要不可欠な概念かもしれません。
SBNRの言葉の意味や日本の精神文化との関連性を紐解きます。
SBNRとは
SBNRとは「Spiritual But Not Religious」の頭文字で「無宗教型スピリチュアル」のこと。
特定の宗教を信仰しているわけではないが、精神的な豊かさを求める人々のことを指します。
SBNR層は近年欧米諸国を中心にどんどん拡大。
アメリカのシンクタンク調査機関、ピュー研究センター(ew Research Center)が行った調査では、アメリカ国民のおよそ4人に1人がSBNRに該当すると発表しています。
SBNRのライフスタイル
スピリチュアルと聞くと怪しさを感じるかもしれませんが、SBNRは今までのスピリチュアルとは全くの別物です。
SBNRのライフスタイルや考え方の特徴は下記のとおり。
- ヘルシーで健康的な食事
- 自然やアウトドアとのふれあい
- 瞑想や禅などのマインドフルネス
- 多様性やサステナビリティへの貢献
- 地球環境への問題提起や実践
- 自分らしく豊かさと自由を求める
このようなトピックへの関心が高く、現代的・先進的・前衛的な価値観を持つ人たちのことです。
実際に、情報や物が溢れている昨今では物質的な豊かさよりも精神的な豊かさを求めるようになっています。
SBNRはこのような過渡期に生まれた価値観・ライフスタイルといえるでしょう。
SBNRの誕生と背景
SBNRという考え方は、もともと2000年代にアメリカで広まりました。
アメリカでは伝統的にキリスト教が社会全体の精神基盤とされてきましたが、1970年代以降は国民がキリスト教会に所属しない傾向が強まり、社会変化を捉えた書籍の頭文字を取って宗教や精神事情を表す「SBNR」が生まれました。
20年以上前にアメリカで生まれた言葉ですが、近年のウェルネス・ウェルビーイング・メンタルヘルスへの関心の高まりとともに、再びSBNRが大きな注目を集めるようになっています。
SBNRと日本の精神性の関連
SBNRの領域は非常に広く抽象的で、定義自体もさまざま。
スッと理解するのは難しいかもしれませんが最大の特徴は「自身の精神的な満足を得るために、今までの歴史が蓄積してきた知恵を、宗教や団体、他人の価値観などに縛られることなく個人の自由な意志で取り入れること」です。
特にSBNRユーザーの関心が高いものは「禅」や「瞑想」。
東洋文化の知恵を、信仰とは関係なく自分のライフスタイルの中に積極的に取り入れているのが特徴です。
また、日本古来より培われてきた価値観や感受性もSBNRには欠かせません。
例えば、虫の声を「音」として聞き取れるのは日本人とポリネシア人だけ。
夏には「蝉がミンミンと鳴いていて夏を感じるなあ」と思ったり、秋には「鈴虫の声がリンリンと響いていて風情を感じるな」と思ったりしたことはありませんか?
この感受性はわたしたち特有のもの。
四季を感じ、風情を感じ、時代を感じ、また現在と過去も同じように感じることができます。
このノスタルジックなエモさを自然に味わうことは、禅でいうところの「本来の自分に戻る」ことや、瞑想の「明鏡止水」を感じるポイントなのです。
世界中で解き明かせない人類の根源的な問題に対するヒントが日本古来の精神的な文化の中にあるのではないでしょうか。
まとめ
SBNRを日本的に表すなら「鏡花水月」といえるかもしれません。
目には見えるものの、実際に手に取ることができないもの。
または、感じ取ることはできても言葉に現すことができない奥深さを表した四文字熟語。
雲のような取り留めのない自分自身のマインドや考え方を自由に表現していくことは、今後の時代において重要な価値観を確立する1つの方法です。
日本の文化や精神的な価値感で、日本ならではの新しい道標や解決の道筋を示していく可能性を秘めたものになります。
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