投稿日:2024年09月10日/更新日:2024年09月10日
フードロスとは?意味や原因について解説|わたしたちにできるエコな取り組み
フードロスとは、食べられるはずの食品が廃棄されてしまうことで、現代社会の大きな問題となっています。
しかし「フードロスは知ってるもののどうすれば削減できるの?」「わたしが削減したところで……」と、疑問に感じる方も多いのではないでしょうか?
本記事では、フードロスの意味や原因について詳しく解説し、わたしたちが日常生活で実践できるエコな取り組みについても紹介します。
気になる方はぜひ参考にしてみてください。
フードロスとは?
フードロス(食品ロス)とは、本来食べられる食品なのに捨てられてしまう食べ物のことです。
ただ単に食料資源が無駄になるだけでなく、ゴミ処理に多くのコストがかかるため自然環境にも大きく影響しています。
例えば、ゴミを燃焼させる際に排出される温室効果ガスや、埋め立てゴミの処分問題などです。
また、日本の年間食品ロス量は、2022年は472万トンでしたが、2024年には523万トンにも増加しています。
参照:最新の食品ロス量は523万トン、事業系では279万トンに|農林水産省
フードロスが起きる3大原因
フードロスが起きるのは、主に以下の3つの原因が挙げられます。
- 規格外品
- 返品や売れ残り
- 食べ残しや手つかずの食品
それぞれ見ていきましょう。
規格外品
食品メーカーで発生する規格外商品には、主に以下の特徴があります。
- 焼きムラ
- 欠け
- 変色
- 切れ端
安全上食べるには問題がないものでも、見た目や品質維持の都合上ロスになってしまいます。
しかし、メーカーにとって規格外品を選別するのは品質へのこだわりでもあり、ブランド力を維持するための重要なポイントです。
また、わたしたち消費者もなるべく見た目が良く、鮮度が良い商品を購入しようとする傾向があるのではないでしょうか。
規格内の商品の中であってもさらに厳選してしまう消費者の行動様式によって、結果的にあまり見た目が良くない商品だけが残り、廃棄の対象となってしまいます。
返品や売れ残り
消費期限が短かったり切れてしまうと、返品や廃棄しなくてはなりません。
また、クリスマスやバレンタイン、土用の丑、恵方巻などの季節ごとのイベント商品は、時期が過ぎると売れないためフードロスが発生しやすいといえるでしょう。
また、日本では1/3ルールという事業所にとって厳しいルールがあります。
1/3ルールとは、製造者(メーカーや卸)・販売者(小売店)・生活者が、賞味期限までの期間を均等に3等分で分け合う商習慣です。
例えば、賞味期限6カ月の食品の場合は、以下のようになります。
- メーカーから小売店への納品期限:2カ月
- 小売店の販売期限:2カ月
- 生活者がおいしく商品を食べられる賞味期限:2カ月
そして賞味期限まで残り3分の1を切ってしまった商品は、店頭から引き上げ、ディスカウントショップなどに安く買い取ってもらうか、廃棄されてしまうのです。
食べ残しや手つかずの食品
飲食店や店舗などの事業系から出るロスが大きいと思われがちですが、一般家庭でもフードロスは発生しやすい状況です。
農林水産省の発表のよれば、事業所と家庭からのロス量はほぼ半々という結果に。
参照:最新の食品ロス量は523万トン、事業系では279万トンに|農林水産省
事業系では、食材の過剰仕入れや注文のキャンセル、利用者が食べきれなかったケースが挙げられます。
一方家庭では、必要以上に料理を作りすぎてしまい、その際に食べきれない場合が多いです。
どちらも小さな積み重ねで、莫大な量の食品を日々捨ててしまっています。
フードロス対策で、わたしたちができるエコな取り組み
わたしたちができるフードロス対策は、下記の4つが挙げられます。
- 食品の賞味期限と消費期限を理解する
- てまえどりを意識する
- 必要最低限のものだけを購入・調理する
- ドギーバッグを提供・利用する
それぞれ解説します。
食品の賞味期限と消費期限を理解する
まずは、正しく賞味期限と消費期限を知っておきましょう。
消費者として食品の賞味期限と消費期限の違いは、下記のとおりです。
- 賞味期限:おいしく食べることができる期限
- 消費期限:過ぎたら食べないほうがよい期限
食品の種類や状態にもよりますが、賞味期限はおおむね「期限を過ぎても食べられる」と、捉えていいでしょう。
てまえどりを意識する
2つめは、スーパーでの買い物の際に意識したいのが「てまえどり」です。
てまえどりとは、陳列棚に並ぶ商品のうち、賞味・消費期限が近い手前の商品から購入すること。
「自分だけだからいいでしょ」「自分だけ得すればいい」と身勝手に行動するのはNGです。
あなたの些細な行動がフードロス削減の大きな1歩となります。
必要最低限のものだけを購入・調理する
家庭で起きるフードロスは、必要以上に食材を買ってしまうのが原因です。
まずは、冷蔵庫の中身をチェックし、足りない分の食材のみを購入するように心がけましょう。
不必要な買いだめは、食品をムダにするだけではなく、社会的な混乱をも招いてしまいます。
そのため、必要な分だけを購入し、食べきれなかった分は新鮮なうちに冷凍庫に保存しておくとよいでしょう。
ドギーバッグを提供・利用する
ドギーバックとは、飲食店での食事で食べ残した料理を持ち帰るための容器や袋です。
せっかく作ってくれた食事を残されるのは悲しいですし、お金を払ったのに残すのも罪悪感がありますよね。
食べきれなかった分は、ドギーバッグを活用してフードロス削減をめざしましょう。
上記のステッカーが貼っている店舗で利用可能です。
フードロスとSDGsの関係性
世界共通の持続可能な開発目標であるSDGsでは、目標12「つくる責任つかう責任」の中でフードロスについて具体的に目標を掲げています。
ターゲット12.3 | 2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる |
ターゲット12.2 | 2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する |
ターゲット12.5 | 2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する |
参照:12 つくる責任つかう責任|外務省
フードロスは食品についてだけではなく、経済や社会の課題も同時に解決していくことが重要です。
まとめ
フードロスは、地球環境や食糧問題に大きな影響を与える重要な課題です。
食料が無駄になるだけではなく、環境への負荷がかかってしまいます。
フードロスを削減するためには、自分で食べられるだけの食事を用意し、残さずに完食しましょう。
今回の取り組みは、SDGs目標12の「つくる責任つかう責任」に当てはまります。
本記事で紹介した取り組みは、誰でも簡単にできるので、ぜひ実践してみてくださいね。