投稿日:2023年08月30日/更新日:2023年10月24日
1つは持っておきたい!食べ残し対策の「ドギーバッグ」とは?
「食品ロス」の問題は大きな社会問題の1つ。
飲食店だけにとどまらず、家庭での廃棄や小売店での売れ残り、食品メーカーなど、さまざまな場所で食品ロスが発生しています。多くの食品を輸入に頼っている日本ですが、廃棄する量も多いというのが、なんだかおかしな話です……。
あなたは、飲食店を利用したときに「残りがもったいない」「どうせ廃棄するなら持って帰りたい」と思ったことはありませんか?
持ち帰るメリットは以下のとおり。
- 食品ロスを少なくできる
- お店側の廃棄コストを減らせる
- お家でもお店の味を楽しめる
今日から「持ち帰り」に取り組んでみましょう!
海外では食べ残しの持ち帰りは当たり前
海外では、食べ残した食品を持ち帰ることは「一般的」です。
アメリカでは高級レストランでも持ち帰りに対応しているところもあるほど。また、日本に近い中国や台湾でも日常的に行われています。
しかし、なぜ日本ではこのような行動があまり見られないのでしょうか。
日本での持ち帰りが普及しないのは「衛生上の問題」が最大のネック。持ち帰った食品で食中毒を起こした場合、お店の責任?それとも、持ち帰った人の責任でしょうか?
答えは……。
日本ではルールがあいまいなため、普及しずらい背景があるようです。
一方海外では、持ち帰りによる問題は「完全自己責任」で店舗や事業所が責任を問われることはありません。「完全自己責任」の考え方が根付いているからこそ、広く普及しているといえるでしょう。
また、もともと「個人主義」が強いことも後押ししていると感じます。日本はどちらかといえば「全体主義」が強いのではないでしょうか。「みんながやってないからやらない」「赤信号みんなで渡れば怖くない」のように、他人軸になりがちです。
日本でも個々が「孤立」ではなく「独立」することで、主体性を持った行動が必要だと思っています。
やっぱり気になる食中毒リスク
持ち帰りができない最大の原因は「衛生上の問題」です。
コロナ禍を経て、テイクアウトOKの飲食店を多く見かけるようになりましたが、やはり気になるのは食中毒などの品質問題。できたてを温かいうちにお店で食べるのは問題ありませんが、持ち帰る間に菌が増殖するケースがゼロとは言い切れません。
そのため、なかなか食べ残しの持ち帰りOKに舵を切れない現状があります。
実際に、財団法人食品産業センターが平成21年に発表したアンケート結果で「持ち帰りを認めなられない」と答えた事業所の割合は上記のとおりです。
ホテル旅館・式場・給食事業所などは過半数の50%が持ち帰りに否定的。一方、テイクアウト文化の根付いているファストフード、居酒屋では多くの店舗で持ち帰りを容認している結果となりました。
国がすすめる「食べ残し」施策
平成29年に消費者庁・農林水産省・環境省・厚生労働省の連名で『飲食店等における「食べ残し」対策に取り組むに当たっての留意事項』が公表されました。
食べ残し料理を持ち帰る場合は、持ち帰りを許可するお店側の説明をよく聞き、食中毒リスクを十分に理解した上で、自己責任の範囲で行いましょうというものです。以下は、消費者と飲食店に向けられた内容の抜粋です。
消費者向けのポイント
- 生ものや半生など加熱が不十分なものは避ける
- 食中毒リスクが高まるので寄り道をしない
- 持ち帰った料理は帰宅後できるだけ速やかに食べる…など。
事業所向けのポイント
- 希望者には、衛生上の注意事項を十分に説明する
- 十分に加熱された食品を提供し、加熱が不十分な料理は要望があっても応じない
- 外気温が高い時は持ち帰りを休止するか、保冷剤を提供する…など。
十分に持ち帰りを行うポイントを理解した上で、食品ロス対策を行いましょう。
食品ロスSTOP!ドギーバッグを利用しよう
あなたは「ドギーバッグ」を知っていますか?
ドギーバッグとは、食べきれなかった食べ物を持ち帰れる容器のこと。もとは、愛犬(ドギー)にも分けてあげるため持ち帰ったことから、この名がついたとされています。
ドギーバッグの種類はさまざま。
- 紙製容器
- 竹やサトウキビを原料にしたリサイクル容器
- プラスティック容器…など
耐水性や耐油性にすぐれたタイプや、食器のように洗って何度も使えるタイプもあります。しかし、プラスティックは便利な反面、ゴミ問題や海の環境破壊につながる可能性が……。そのため、ドギーバッグはリサイクル素材や天然素材が使われているタイプをおすすめします。
おすすめは「mottECO(モッテコ)」
mottECO(モッテコ)は2022年4月より環境省が推し進めているドギーバッグ活動です。
mottECOには「もっとエコ・持って帰ろう」というメッセージが込められています。
折り畳んで携帯できるので、カバンの中でもかさばらず、繰り返し使えてエコでスマートにフードロス問題に貢献できます。
あなたも一丸となって「mottECO(モッテコ)」活動に参加してみませんか?
もっと気軽に!ドギーバッグ普及委員会
食べ残しを持ち帰ることは恥ずかしいことではありません。むしろ、食品ロスのことを考えたとても良い行動です。
ですが、飲食店側は衛生管理の観点からどうしても持ち帰りを進めることが難しく、さらに消費者も恥ずかしさもあってなかなか言い出せないのが現状。
このような双方のギャップを取り除き、スムーズに持ち帰りができるように普及活動をしているのが「ドギーバッグ普及委員会」です。
主な取り組み。
- ドギーバッグ普及活動
- ドギーバッグ活動スターターキット
- 持ち帰り自己責任カード
- 店舗用のドギーバッグ利用可能ステッカー
お問い合わせいただいていた高校生によるドギーバッグの商品化が決定したようです。おめでとうございます????
ドギーバッグ普及委員会さんの投稿 2023年3月2日木曜日
いよいよ本格的な政策検討に入る見通しとなりました!
日本らしさを備えた持ち帰りが定着するとよいと思います。
引き続き皆様のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。ドギーバッグ普及委員会さんの投稿 2023年5月9日火曜日
https://www.asahi.com/sdgs/article/14974760
先日出展したmottECOフェスタの様子が記事になりました!
ドギーバッグ普及委員会さんの投稿 2023年8月10日木曜日
ドギーバッグ普及委員会への参加は会員登録(特典によって有料と無料があります)が必要ですが、ぜひとも日本でもドギーバッグを広めて「当たり前化」を目指しましょう!
「ドギーバッグ普及委員会」公式サイト
「ドギーバッグ普及委員会」Facebook
ドギーバッグOKのステッカーを見つけよう
上記のステッカーがドギーバッグOKの目印!
「ドギーバッグ普及委員会」と、環境省が勧めている「mottECO」のステッカーです。
ファミリーレストラン「デニーズ」では、2019年4月から食べ残した料理を持ち帰りに対応。また、ワタミ株式会社でも、持ち帰り専用容器を2019年11月中旬から環境に配慮したバイオマスプラスチックの容器に変更する取り組みが行われています。
ほかにもたくさんの事業所や飲食店で「持ち帰り」に取り組んでいます。ぜひ、持ち帰りOKのステッカーを探してみましょう!
まとめ
ドギーバッグを活用して取り組むことは、SDGs12「つくる責任 つかう責任」の中の12.3「小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品ロスの廃棄を半減させ、収穫後損失等の生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる」を達成するための取り組みです。
日本でも大きく広がってほしい取り組みですね。
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