投稿日:2023年08月29日/更新日:2023年09月06日
【フェアトレード】公平公正な貿易と生産者を守る取り組みと日本企業4選
フェアトレードとは「公平・公正な貿易」のこと。
あなたは身近にあるコーヒーやチョコレートの原料や服の縫製など、どのような人たちが栽培し、どのように作られているのかを知っていますか?
安い食べ物がある理由は、原料が安いために提供できるものです。安い服も同じように、安い縫製で生産することが可能だから安く提供できます。
原料を安く仕入れるためには、大量に生産できる土地があり、安い賃金で働いてくれる労働者がいるから。そのため、正当な対価が生産者に支払われなかったり、生産性の向上を目的に必要以上の農薬使用で環境破壊が起きたり、農薬による生産者の健康被害が起こっています。
生産者の労働環境や自然環境を改善し、労働者の生活水準を保証するためにも「適正価格での取引を継続的に行う」ことが重要です。
フェアトレードに明確な基準はない
世界共通の「国際フェアトレード基準」はありますが、その基準を満たさないとフェアトレード製品の表示ができないといった決まりはありません。
そのため、フェアトレードのラベルが付いているものや、マークやラベルはないもののフェアトレードと記載されているものなどさまざま。また、製品に対してのフェアトレードラベルの他に、事業自体がフェアトレードの基準を満たしていることで認定されるものや、企業ごとに決めたフェアトレードの基準で作られた製品もあります。
そのため「ラベル」だけでフェアトレードをかどうかを判断することはできません。
裏面表示や、パッケージのキャッチに記載されているケースもあるので、欲しい商品をよく観察してみましょう。
フェアトレードのメリットや懸念点
ここでは、フェアトレードのメリットと懸念点を紹介します。
まず、メリットは先ほど紹介したように、生産者や労働者の環境を改善できることと、公平な貿易が行える点です。
一方のデメリットは、価格が同じような商品よりも割高なため一般的には普及しない点と、品質維持が難しいこと。
このような問題点が、そもそもフェアトレード製品を取り扱うお店が少ない原因でもあります。
フェアトレード製品の認知度が低いことも、フェアトレードの抱える問題点のひとつといえるでしょう。
世界のフェアトレード組織の連合体「WFTO」
「WFTO(世界フェアトレード機関)」は、アメリカに本部を置くフェアトレード団体の世界的なネットワーク組織です。
事業全体がフェアトレード基準を満たしている団体のみ加盟することがで、加盟企業で作られる製品は全て「フェアトレード」です。
そのため、製品ごとにラベルをつける必要はありません。
※WFTO系フェアトレードでもラベルを付ける方法がありますが、別途認証取得が必要です。
WFTOの日本企業の加盟数は4企業
世界中での加盟数は342団体(2023年8月29日現在公式サイトより)、一方日本企業・団体に関しては、わずか4団体にとどまります。
- NPO法人東アジア共生文化センター
- ワンプラネットカフェ株式会社
- ピープル・ツリー・ジャパン
- 株式会社シサム
それぞれ紹介します。
NPO法人東アジア共生文化センター
「NPO法人東アジア共生文化センター」は、2009年に設立されたNPO団体です。
国際交流、フェアトレード、多言語多文化教育等に関する活動に取り組み、共に生きる持続可能な東アジア市民社会の構築、多文化共生のまちづくりに寄与することを目的としています。
ワンプラネットカフェ株式会社
「ワンプラネットカフェ株式会社」は、サステナビリティコンサル会社。サスティナブルに関する講演・研修、視察プログラムや、フェアトレード認証の「ワンプラネット・ペーパー®」を製造。
現在、世界20ヶ国で名刺や包装紙、紙ハンガー、紙袋、大学の卒業証書をはじめ幅広い商品に使われています。
ピープル・ツリー・ジャパン
「ピープル・ツリー・ジャパン」はオーガニックコットンなどこだわった天然素材を使ったファッションブランド企業です。
人・環境・健康にもやさしい方法で作られたフェアトレードアイテムを販売しています。こちらの記事でも紹介しています。
株式会社シサム
「株式会社シサム工房」は、1999年に京都で小さなフェアトレードショップとして企業。
創業以来、オリジナル商品の開発を行い、商品の質やデザイン、空間演出にこだわりながら、一貫してフェアトレードに”チャリティ”でなく”事業”として取り組んでいます。
フェアトレードとSDGs・サスティナブルの関係
国際フェアトレードの基準の中には、SDGsの目標に当てはまるものが多くあります。
貧困撲滅、ジェンダー平等、農業の促進、児童労働撲滅などさまざまです。
- 【SDGs1】:貧困の撲滅
- 【SDGs2】:飢餓の撲滅、持続可能な農業の促進
- 【SDGs5】:ジェンダー平等
- 【SDGs8】:安全安心な労働環境、強制労働・児童労働の撲滅
- 【SDGs12】:持続可能な消費と生産
- 【SDGs13】:気候変動への対策
- 【SDGs16】:平和で包摂的な社会の促進
- 【SDGs17】:グローバル・パートナーシップの活性化
まとめ:わたしたちができることをはじめよう
わたしたち消費者は、これらを知ったうえでフェアトレード商品を購入することで社会貢献につながります。
ちょっぴり割高な商品かもしれませんが、すべての人の健康・生活を守ることがで可能。
もちろん、無農薬や安全な製法で作られた製品なら、自分自身を守ることにもつながるのです。
公平・公正な貿易をサポートして、持続可能な社会の実現へとつなげていきましょう。
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