投稿日:2023年10月16日/更新日:2024年01月05日
ガソリン車規制はいつされる?エリア規制に踏み切ったスウェーデンと日本の現状
わたしたちの生活に欠かせない「車」
しかし、昨今の環境問題や排ガス規制など、車を取り巻くルールも厳格化の歩みをみせています。
今回は、車を取り巻く現状や、エリア規制に踏み切ったスウェーデンの事例を紹介します。
都市部はガソリン車NG!?スウェーデンの実情
スウェーデンの首都ストックホルムで、ガソリン車とディーゼル車の通行が禁止される運びとなりました。
理由は、排気ガスによる大気汚染の削減が目的のため。
今後走行できるのは電気自動車と低排出ガス車のみになります。
ただし、緊急車両や障がい者の許可証を保有する車両は対象外。
新しいルールは2024年12月31日に発効予定です。
日本のガソリン車の規制や販売について
日本政府は2020年に「カーボンニュートラル宣言」を発表しました。
内容はガソリン車やディーゼル車の廃止に向けた第1段階として「2035年までにガソリン車の新車販売終了」を目指しています。
ちなみに中古車には販売禁止の方針が出されていないため、2035年以降も中古車であればガソリン車を購入できる予定です。
また、政府が発表した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では「2050年に自動車の生産、利用、廃棄を通じたCO2ゼロを目指す」と宣言しています。
もし目標通り進めば、2050年以降はガソリン車の利用も禁止されガソリン車は完全廃止となるでしょう。
日本の現状は下記のとおりです。
- 2035年にガソリン車新車販売を終了
- 2035年以降は中古車のガソリン車販売は継続
- 2050年にはガソリン車の全面禁止へ?
このままガソリン車が姿を消すのでしょうか……?
日本政府が認める「電動車」の種類
日本政府が指す「電動車」に含まれる車は、以下の種類です。
- 電気自動車(EVまたはBEV)
- 燃料電池自動車(FCV)
- プラグインハイブリッド自動車(PHEVまたはPHV)
- ハイブリッド自動車(HV)
- マイルドハイブリッド車(主には軽自動車)
近年では、さまざまなメーカーから発売されています。
ガソリン車の廃止で得られるメリット
ガソリン車やディーゼル車が廃止されることで得られるメリットは下記の3つです。
- 地球環境に配慮できる
- バッテリーを防災対策に活用できる
- 今後は電気自動車の方が燃費低減になる
現状のメリットで最も大きいのは、地球環境に配慮できることだといえるでしょう。
しかし、メリットが大きいように見える電動車(電気自動車)ですが、デメリットの方が懸念されています。
電動車の懸念点やデメリット
本章では、すべての車を電動車に置き換えたときに問題になる懸念点やデメリットを紹介します。
- 電力の供給問題
- バッテリーの廃棄問題
- 充電スポットの設備問題
- 車の値段や価格高騰問題
それぞれ解説します。
電力の供給問題
まず、すべての車を電動車に変えると、電力の供給が追いつかないことが考えられます。
もとより、原発廃止の動きが高まり、真夏は電力使用を控えるように呼びかけている中で、果たして電動車の電力まで補えるのか疑問が残ります。
バッテリーの廃棄問題
故障したバッテリーや、破棄するバッテリーは環境問題を引き起こす要因の1つです。
- 埋立処分場の不足
- 有害物質による環境汚染
- 人体や地球環境への悪影響
- 火災の原因となる
ほかにもさまざまな問題が山積しています。
充電スポットの設備問題
今後、電動車のシェアが増えていくことで、充電スポットの拡充が急務です。
新たな設備の設置導入にかかる費用は莫大な金額が予想されます。
平均すると、急速充電スポット1基で約500万円ほどの費用がかかるようです。
また、引き込み線は電柱を活用して行われますが、地震大国の日本では電柱が折れるリスクも高いでしょう。
仮に電柱が折れた場合は充電再開までに多くの時間を要します。
車の値段や価格高騰問題
電動車のバッテリーには、リチウム・ニッケル・コバルトなどのレアメタルが使用されています。
レアメタルは産出量が少なく、抽出がむずかしい希少な金属の総称です。
現在はスマートフォンやPC、ITに関するさまざまなものに半導体が使用されており、需要が急速に伸びており価格が高騰しています。
また、生産地に偏りがあるため、何らかの事情や問題が発生すれば、価格高騰や大きな価格変動が起きることは言うまでもありません。
まとめ:現状、問題が山積みの電動車
日本政府が推し進める電動車ですが、問題が山積みです。
ただし、自動車を控えることは環境問題に大きく貢献できます。
都市部だけ規制を始めるスウェーデンの今後の動向は引き続きチェックしてお知らせいたします。
そして、便がよい都市部などでは、公共交通機関や自転車移動を心がけましょう。
今後の車社会についても、再び考え直してみてください。
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