投稿日:2024年09月10日/更新日:2024年09月10日
テフロン加工のフライパンは有害?メリットとデメリット、安全な使い方を解説
テフロン加工のフライパンは入手しやすく使いやすいため、持っている人も多いでしょう。
私もテフロン加工のフライパンを使っています。
しかし、テフロン加工のコーティングを禁止している国もあるなど、人体への有害性を問う声も少なくありません。
本記事では、テフロン加工のフライパンのメリット・デメリットや安全な使い方、おすすめのフライパンなどを解説します。
日常生活に欠かせない調理に使うフライパンは安全なものを使いたいですよね。
この記事を参考に、安全にテフロン加工のフライパンを使ってください。
テフロン加工とは
テフロンとは、なめらかで耐久性が高いフッ素樹脂加工の1つです。
フライパンの内面をコーティングし、食材がくっつきにくくなったり、水や油を弾くため汚れを落としやすくなったりする効果があるため、フライパンをはじめキッチン用品などでよく使用されています。
一方で、260℃以上の温度で加熱し続けるとコーティングが溶け出し、350℃以上になると毒ガスが発生する可能性があります。
なお、テフロンはアメリカのデュポン社(現ケマーズ社)で商標登録されている用語です。
ハードコート、ダイヤモンドコート、マーブルコートなどの種類があります。
テフロン加工フライパンのメリット
テフロンは熱や圧力にも強い素材のため、テフロン加工のフライパンが活躍する場面は多くあるでしょう。
この章ではテフロン加工のフライパンの主なメリットを紹介します。
食材がくっつきにくい
テフロン加工のフライパンは、食材がくっつきにくく、くっついてしまっても簡単に取り除ける点が魅力的です。
たとえば、煮物や炒め物などの料理が手軽に作れます。
また、こげにくいため、料理に不慣れでも比較的扱いやすく、手入れも比較的簡単です。
価格が安めで手軽に購入できる
テフロン加工のフライパンは、鉄やステンレスの無加工フライパンと比べると販売価格が安いのもメリットです。
取り扱い店舗も多くあり、購入しやすい商品です。
テフロン加工のフライパンのデメリット
テフロン加工のフライパンには、多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。
主なデメリットを4点紹介します。
耐久性に限界があるため、定期的な買い替えが必要
テフロン加工のフライパンは、調理や洗浄を繰り返すうちにテフロン加工がはがれ、食材がくっつきやすくなる点です。
そのため、販売価格が比較的手頃ではあるものの、一生モノのフライパンと比べると長期的なコストパフォーマンスでは劣るかもしれません。
買い替えの目安は1〜3年です。
急激な温度変化に弱い
テフロン加工のフライパンは、調理後すぐに水で冷やしてしまうとコーティングがはがれやすくなります。
また、一度傷がつくと、そこからどんどん加工がはがれます。
調理後はしばらく常温に置いてから洗いましょう。
また、高温で長時間調理すると加工がはがれやすくなるため、加熱のしすぎや空焚きは避けてください。
有害物質が発生する可能性がある
テフロン加工の1つである、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は260℃以上に加熱すると加工がはがれ、350℃前後で毒ガスが発生するリスクが生じます。
また、高温になるとフッ素樹脂が分解され、発がん物質を含む有害ガス「フッ化水素酸」が発生する可能性が。
フッ化水素酸は、目や呼吸器系に対する刺激性や毒性があり、特に小鳥やペットなど、人間以外の動物にとって危険な化学物質です。
ただし、よほどの空焚きや、傷がつきやすい使い方をしなければ家庭で使う分には問題ありません。
マイクロプラスチックが発生する
テフロン加工のフライパンの表面に小さな亀裂が入ってしまうと、調理中に数千から数百万のプラスチック粒子が発生する原因となります。
小さな傷がついただけで30秒間に9100個の微細なプラスチック粒子が発生し、壊れたコーティングからは230万個ものマイクロプラスチックとナノプラスチックが発生します。
調理中にマイクロプラスチックとナノプラスチックの影響を受けるかもしれません。
テフロン加工フライパンの安全な使い方
テフロン加工のフライパンは、正しく使用すれば安全な商品であり、長持ちさせることも可能です。
本章では、正しい使い方を紹介します。
1分以上空焚きしない
調理時の予熱は「中火で30〜40秒」にとどめましょう。
1分以上加熱してしまうと、空焚きとなり、有毒ガスを発生させる危険性があります。
なお、空焚きをすると 5分ほどで 350℃に達します。
火にかけたフライパンから煙が出ていると空焚きしている状態です。
食材に対して大きいサイズのフライパンで調理すると、食材が乗っていない部分が空焚き状態になるため、分量に合わせたフライパンを使うのも大切です。
空焚き状態になった場合には、換気扇をまわす、窓を開けるなどして換気をしましょう。
通常調理時(食材が入っているとき)の器具温度は 150〜190℃くらいが適温です。
木製や樹脂の調理器具を使う
テフロン加工のフライパンには、傷つかない菜箸や木べら、樹脂の調理器具を使いましょう。
金属製の調理器具をはじめ、洗浄に使うクレンザーや金たわしは、コーティングを傷つけフッ素樹脂の剥がれにつながります。
フライパンを急冷しない
フライパンは熱により膨張していますが、金属とフッ素樹脂の収縮の比率が違うため、急冷すると加工がはがれてしまいます。
そのため、調理後は常温で置いてから洗いましょう。
また、調理後に料理を長時間フライパンに保存すると、塩分や油分が染みこみ、劣化の原因になります。
調理後はすぐに料理を容器へ移し、フライパンを洗いましょう。
体に安全なフライパン
テフロン加工のフライパンは、熱しすぎると有毒ガスが発生します。
人体に大きな影響はないものの、ペットなどへの影響が気になる人もいるかもしれません。
この章では、体に安全なフライパンを4つ紹介します。
セラミック加工
セラミック加工のフライパンは、テフロン加工の危険性が問題視されたことから開発された安全な商品です。
加熱しても有毒ガスは発生しないため、テフロン加工よりも耐久性に優れています。
また、温度が上がると遠赤外線効果で食材の中まで熱が浸透し、こげつかずに料理を美味しく仕上げられます。
セラミック加工のフライパンは内側が白く、おしゃれな見た目である点も魅力の1つです。
しかし、使用しているとコーティングが劣化して食材がこげつきやすくなる点がデメリット。
急激な温度変化にも弱いため、強火での調理は避けましょう。
ステンレス製
ステンレス製のフライパンにはコーティング加工の必要がありません。
そのため、塗装の劣化の心配がなく、加熱しても有害物質は発生しません。
また、ステンレス製のフライパンは、安全性や耐久性に優れているため、さびにくい点がメリットです。
金属製の調理器具を使用しても傷つきにくく、スチールたわしで洗っても問題ありません。
保温性を活かした調理が得意で、余熱調理ができるため、煮込み料理に向いています。
ただし、表面に食材がくっつきやすい点がデメリットです。
しっかりと予熱を行い、油を多めに使いましょう。
調理前に油の膜をつくる「油慣らし」をするのもおすすめです。
また、ステンレスフライパンは多層構造になっているため、重く感じる人も多いでしょう。
鉄製
調理面に一切コーティングがされていない無加工のフライパンです。
そのため、表面の塗装が劣化する心配はありません。
また、鉄は害がなく人体に必要な成分です。
鉄製のフライパンは、耐熱性に優れており高火力での調理が可能です。
食材の水分を逃さずに加熱できるため、料理がおいしく仕上がるでしょう。
耐久性に優れており長期にわたって使用できる一生モノのフライパンであるのも魅力的です。
しかし、鉄フライパンは重くてさびやすい面もあるため、使い初めには「シーズニング」を行い定期的なメンテナンスが必要です。
銅製
銅は鉄よりも熱伝導率が高いため、ムラなく食材にすばやく均等に熱が入ります。
特にきれいに仕上げたい卵焼きはもちろん、焼き物や煮物もふっくらと美味しく仕上がるのがメリットです。
また、銅は殺菌作用が高く、腐食が起こりにくいのも利点の1つ。
しかし、空焚きをしすぎるとメッキが溶け出すので、空焚きは厳禁です。
また、強度が弱く、落としたり衝撃を加えたりすると変形する点にも注意が必要です。
まとめ
本記事では、テフロン加工のフライパンのメリット・デメリットや安全な使い方などを解説しました。
テフロン加工のフライパンは急激な温度変化に弱く、有害物質が発生する可能性があります。
しかし、食材がくっつきにくく、安価で気軽に購入できるため、使いやすい点が魅力的です。
また、正しく使用すれば、人体への影響はない安全な商品です。
本記事を参考にし、テフロン加工のフライパンを使って安全に調理を楽しんでください。